きっとこのままじゃいられない…2nd

嘘 ページ30

『よっ！久しぶり
明日からやっと学校だな』

親しげに話すそいつに
うみは繋いでる
オレの手を
ぎゅっと握ってきた

『そう だね 』

『ははっ
そんな緊張しなくても
オレたちの仲じゃん』

は？オレたちの仲
って なんだ？

オレはムッとして
思わずそいつを睨んだ

『あ もしかして
彼氏さんですか？
俺 クラス委員
一緒にしてる
香坂っていいます』

悪びれず 爽やかに
挨拶されて

『いや オレはうみの
アニキだけど』

って普通に
答えてしまった

手を繋いでる
オレたちを見て

『あ お兄さんですか…
へー 兄妹
仲良いんですね

じゃ うみ 明日から
またよろしくな』

そいつはオレたちに
手を振って
爽やかに去っていった

『うみ
あいつと仲良いんだ』

『違うよ 香坂くんは
一緒に委員してて…
いい人だけど
いつもいっぱい
話しかけてくるから
うみ ニガテなんだ』

『ふーんそっか』

それにしても
呼び捨てとか あいつ
馴れ馴れしいやつだな

うみは昔から男子が
ニガテなんだよ
よくいじめられてたし
悪気はなくても
乱暴だったりするから

オレはそんなうみを
いつも守ってきたんだ

あいつは うみのこと
好きなのか？

オレはずっと
モヤモヤしたまま
それからもお祭りを
楽しんで…

紫耀たちと
別れた後の帰り道も
うみとはずっと手を
繋いだままだ…

そんなオレに

『お兄ちゃん
今日は楽しかったね』

うみが嬉しそうに
笑うから
オレも笑顔になる

『そうだな』

『お兄ちゃんAさんて
めちゃめちゃ愛されてるよね
すごく羨ましいなー
いつかうみもあんな風に
思われたいなぁ』

ってうみは
オレを見ながら言う

『紫耀は昔から
Aちゃん
ひと筋だからな

でも オレだって ずっと
妹としてうみが1番
大切なんだけど？』

『彼女じゃないもん…』

そう言って拗ねてる
うみに

『ほんとの
恋人じゃないけど
オレは うみのこと
彼女以上に大切に
してるつもりだけど？』

って大サービスした

でも納得
いかないのかうみは

『お兄ちゃんは誰かと
付き合ったことある？』

って聞いてきたんだ

『えっ？何？突然
そりゃあ…彼女の
ひとりやふたりくらい
いたに決まってんじゃん』

オレは嘘をついた

彼女なんて
いたことないのに…

そんなオレにうみは

『お兄ちゃんずるい
うみはいないもん』

と口を尖らせた

『できるよ うみにも
いつかきっと…
さっきのあいつとか
お似合いじゃん』

オレは思ってもない
ことを言ったんだ…

キス→←モヤッと

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