大事な人 ページ9
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your side
｢全部あんたが悪いの、分かってる？｣
｢…ごめんなさい｣
｢ずっとそればかり、だから見捨てられたのよお父さんに｣
ハァ、と小さくため息をつきながら頬杖を着く母親。
いつものように詰るけれど、いつものように怒ってはいない。
なんだか気味が悪くなって｢お母さん…？｣と問いかける。
｢お母さんね、再婚するの｣
｢再、婚…？｣
｢新しくもう1回結婚するのよ、やり直すの｣
そんな、お父さんは…？
お父さんも、厳しい人だったけど私がいい点を取ると笑って頭を撫でてくれた。
…お父さんの存在があったから今までやってこれたのに。
週末になっても帰ってこない名医の父親。最近は顔を1度も合わせていなかったな、と今更思い出して震える。
…捨てられたの？私
｢お母さんね、ここに赤ちゃんがいるの｣
｢え？｣
｢先週離婚したからね、そこから数えて100日間は再婚しちゃいけないのよ…全くなんなのかしら日本の法律は｣
少しだけ機嫌が悪くなった母親。
自分の都合しか考えていないお母さんに、気分が悪くなり思わず口を挟む。
｢…なんで先週離婚したのに赤ちゃんが居るの…｣
｢はぁ？｣
｢お母さん、不倫してたの？｣
拳を握りしめながら、母親の顔も見れずにそう問いかける。
｢何言ってんのよアンタ！！だいたいね！お荷物なあんたを押し付けられてこっちも困ってんのよ！｣
こんなことを言えばヒートアップされるって、わかっていたのに。
｢…何よその目。…血が繋がってないから化け物に見えるわ、おぞましい｣
化け物。
…お母さんが私に植え付けた、憎たらしい言葉。
｢まぁいいわ。…都合の悪い記憶は全部消しちゃえばいいの｣
ふと顔を上げる。
母親が気分の悪い時に付けるロウソク。
いい匂いが漂ってきて、ぼーっとしながらそれを見つめた。
お母さんがおまじないかのようにずっと繰り返す。
｢…ね、Aちゃん。…消しちゃえば、楽になると思わない？｣
…楽になれる…？
《A》
ふと、優しい響きのある声が私の名前を載せて聞こえてくる。
それをかき消すようにお母さんが声を張り上げた
｢忘れるのよ！！｣
待って、ダメだよ。
その人は、私の大事な…、
｢大事？｣
母親の唇がニィ、と口裂け女のように裂ける。
赤が脳裏の裏にこびりついて、何故か血の色と混ざりあった。
｢大事なら、裏切ったりなんかしないでしょ。…彼はあなたを裏切ったのよ｣
裏切る？
…彼って、誰？
｢さぁ、お母さんと一緒に戻りましょう｣
考えるのが面倒くさくなって、言われるがまま、母親の手に引かれた。
…その手は、誰かと比べてとても冷たかった
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がんもえ(プロフ) - みりんさん» ありがとうございます！！♡♡ (2023年2月2日 1時) (
レス) id: 828bc06f55 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - 苹果飴さん» 苹果飴さん、ありがとうございます！通知がうるさいとは思いますがこれからも宜しくお願いします🦙 (2023年2月2日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - ナギさん» 愛しまくります嬉しいです🫶🏻🤍🤍😭 (2023年2月2日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - がんもえさん» ありがとうございます！是非メッセージの方に送らせて頂きますね！ (2023年2月2日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - サハラサバクさん» サハラサバクさん、コメントありがとうございます！溢れ出る創作意欲をぶつけてるだけなので誤字脱字多いかもしれませんが、宜しくお願いします！笑ദ്ദി^._.^) (2023年2月2日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2023年1月27日 12時
