検索窓
今日:47 hit、昨日:18 hit、合計:48,161 hit

友達 ページ8





「あの飛行船。襲撃の間移動してた。もしかしたら街のあらゆる場所がゲーム会場なのかも」


アンの推測にタッタが弱気なことを言う。
確かに。武器が無いことには始まらへんな。
貰った小型爆弾だけが頼りや。


「ネクストステージ、レベルアップしてんな」


小さく呟けば、アンがチラリとこちらを見る。
…なんや?


「Aはどこ?」


眉を顰めて聞いてくるアンに、アリスが代わりに答える。
「渋谷駅付近で見失った」と。
死んだ訳では無いと分かったようで、ほっとため息をついたアン。
アンとAの仲の良さにはビーチの時から気づいとった。

同じ幹部として過ごした時間が長いのか。
アンがここまで人に心を開くのは珍しいな。

…ウチはAがピアニストをしてた時から一方的に知っとったから、何だかまだ「芸能人感」が拭えへん。


「…ええなあ、アンは。Aとフラットな友達関係で」


思わず緊張感の無いことを言えば、バックミラー越しに目が合った彼女がふっと笑った。


「…貴方もAの友達でしょう。安否を心配して彼女を案じるなんて。」


ハッとさせられる。
…そうや。
Aと過ごしていくうちに、彼女がただの完璧超人では無いことを知った。
痛いぐらいに優しくて、悲しいくらいに人を信じる女の子。


「…絶対、生きとってくれよ。Aもチシヤも」


あわよくば、2人が合流してればええんやけどな。
アンが小さく、ウチに同意するように頷いた。

用無し→←はぐれてもうた



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (46 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
224人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みりん | 作成日時:2023年3月13日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。