覚えておいて ページ35
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少しだけ、今から来る行為が怖くて彼にバレないように両手を組む。
落ち着け、落ち着け、と笑顔を演じていると、何を思ったのかチシヤが優しく抱きしめた。
肌同士が触れ合って暖かい。
「どうしたの？」
あ、と声にならない音を出せば、「怖い？」と言う。
「…大丈夫。大丈夫だよ」
言い聞かせるように言えば、真顔の彼が髪を撫で付け「ごめん」と謝った。
謝って欲しくない。胸が痛くなってそう言おうとすれば、チシヤは続ける。
「ごめんけど、止められないから。…優しくするから付き合って」
胸が痛い。
猫目とゆっくり目が合い、手を伸ばす。
絡んだそれに、キスを落とせば、目の色が変わった彼がゆっくりとお腹をさすった。
「…わたし…」
「うん」
「マーク、教えなくてごめんなさい、でも、もう裏切られたくなくて、」
「…うん。大丈夫、俺は生きてる」
不意に、チシヤが私の掌掴んで自分の心臓辺りに当てる。
ドクリ、ドクリ。
一定のリズムを刻むそれは少しだけ早くて、胸がいっぱいになった。
「あー、…脈拍110ぐらいかな。」
「ふふ、お医者さん出さないで」
雰囲気の無い一言に思わず吹き出せば、微笑んだ彼が少しだけ詰まって言った。
「……ビーチで、裏切ってごめん」
呼吸が止まる。
私の態度で確信したチシヤ。
「だよね。…記憶、戻ってるよね」
…あぁ、彼は全部お見通し。
頭が良くて、狡猾で、でも1度心を許せば口は悪いけれどなんだかんだ助けてくれる。
「…チシヤ。」
「うん？」
「好きだよ」
チシヤが私に何か言いかけて口を開く。
言わせない、というようにキスをすれば、少しだけびっくりした顔の彼が「…A」と確かめるように呼んだ。
「…チシヤ “さん” 」
怪訝な顔をした彼が、もう一度「A」と呼ぶ。
首を振って「チシヤさん」と圧をかけるように呼べば、意図を察した彼が「…何で」と言う。
「そういうプレイがお好み？」
わざと茶化す彼に、「なんの事ですか」と問いかけると眉間の皺を深くしたチシヤが「なんで知らないフリを装うの」と、キツくキツく肌を吸い上げる。
その一つ一つが気持ちよくて、切なくて。
でも私は決めたから。
彼が「A」と呼びかける度に「なんですか？」と知らないふりをすると、「泣かせるよ？」と苦しそうな顔をした彼に吸い上げられる。
そんなことを言うくせに私に触れる手つきは優しくて。
泣きそうになりながら唇を噛み締めてキスをせがんだ。
…“彼との最期” を体に刻みつけるように。
お願い。覚えておいて、私。
そのまま、ベッドの海に深く溺れる。
繋いだ手は、解かれることの無いまま。
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みりん(プロフ) - がんもえさん» クイナとアンのペア、すごく好きです(；；) ただ、スペードのキングのゲーム後にクイナに冷たい態度を取っているので…仲直り出来るのか( ›_‹ ) (2023年2月7日 0時) (
レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - おむらいすさん» お母さんと交代してもらいました！暫くチシヤのターンですのでお付き合い下さい( ◜ᴗ¯)🤝(¯ᴗ◝ ) (2023年2月7日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - らむねさん» 実は、参加しないのです！やっぱりこのゲームは残酷なので、2人とも生き残るのは違うかなと¯֊¯⋆꙳ (2023年2月7日 0時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
がんもえ(プロフ) - 別のゲーム会場で誰かと会うのかな！クイナとかアンに会って欲しい……… (2023年2月6日 23時) (レス) @page41 id: 828bc06f55 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - dさん» そうなんですよ…( -᷅ ̫̈-᷄ )𐑲𐑲𐑲 チシヤと鉢合わせてしまうのか、ご期待ください✨️ (2023年2月6日 23時) (レス) id: 54bed94868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みりん | 作成日時：2023年2月1日 23時
