結婚しましょう【森鴎外】

結婚＊５ ページ6

「私は貴方が好きです」


彼女は森の頬を一撫でし、手を離した。

だが離れていく手を森は掴み、もう一度自分の頬に当て、柔らかく笑う。


「私も好きだ。」


そしてそのまま手の甲にキスを落とし、「キザすぎたかな？」と下から彼女を見た。彼女は「キザ、かもしれませんね」と右手を握られたままクスクスと楽しそうに笑い。


「あ、そうだ！エリスと遊ぶ約束をして」


「リンタロウーーーー！！早くAを返して！！！」


彼女が言い終わる前に、扉が壊れるくらいの勢いで開いた。

そしてそのままエリスは森に突進。いいところにエリスの頭が入った森は、横腹をおさえて悶絶中。


「い、いいところに……っ」


「日頃の行いよ！」


「今のはエリスちゃんだよ……！？いてて…っ」


「そう大人しくしてたら、リンタロウもうざくないのに」


「え！？」

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