結婚しましょう【森鴎外】

結婚＊２ ページ2

彼女の指のサイズは寝ている間に測った。ドッキリの為だから、サプライズだから。そういう気持ちはなかったから。確かに寝顔が可愛くて写真を撮ったことは認めるけど。

大体の目星はつけているが、いざ買おうとなると本当にこれでいいのか？と不安になってしまう。エリスや尾崎にも相談していたが「結果的には自分で決めろ」という意見を返された。


しかしそれが困る。

彼女が美しいことは重々承知している事だし、そこに自分は惹かれた。


「どうしようかなぁ……」


エリスに連れられて試着室に入る彼女を目で追いかける。手にもっている青いワンピース、あれ絶対可愛い。

彼女にバレないように、迅速に、早急に、用意する必要がある。


彼女を試着室に入った途端、エリスがこちらに歩いてきた。何か欲しい物でもあったのだろうか、膝を曲げてエリスの目線に合わせる。

エリスは口角を上げた。


「Aに聞いておいた」


「え？な、何を？」


「リンタロウと結婚したい？って」


えええ、何やってんのエリスちゃん！！！

という森のエリスにしか聞こえないくらい小さな叫びに、エリスはくるりと回れ右をする。森は慌てて止めた。


「それでAは何て……？」


「………さぁ？」


「エリスちゃんんんん！！」

結婚＊３→←結婚＊１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す