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久しぶりにまた人間から悪魔が出てしまったか。
可哀想に。服はビリビリだし、きっと疲れているだろう。
『僕がこの城の中を案内するね。陸だよ。これからよろしく!!』
そういうと、慎くんは浅くお辞儀をしてくれた。
『あ。まず着替えないとね。ついておいで』
『ここは僕の部屋。ちょうど着られなくなった服があって、慎くんならピッタリだと思うんだよね。向こうで着替えておいで。』
そう言って慎くんに服を渡した。
慎「終わりました。」
『おお!ピッタリだ!!笑』
『よし、行こうか。』
『慎くんのこと、聞いてもいいかな?』
慎「はい。なんでも。」
『まず、歳は??』
慎「22です。」
『22かぁ。ここには慎くんと同い年が3人いるね。今は、狩りに出てていないな。.......あ。僕は26だよ。一応ね。悪魔になったら歳は変わらないんだ。永遠と生きていられる。自滅しない限りね。』
慎「僕も色々聞いてもいいですか。」
『もちろん!何が聞きたいんだい?』
慎「王のこととか、この世界のこととか.......色々」
『そーだね!気になるよね!少し長くなるけど話すね。』
『この国は今の王、壱馬様が造られたんだ。約2000年前くらいかな。僕と北人はその少し前に壱馬様に出会ったんだ。その前は悪魔は独りでひっそりと狩りをしてたんだ。仲間なんて居なかったし、共食いだってした。でも壱馬様は世界中から悪魔を集めて国を作った。だからみんな壱馬様のことを王と呼んでいるんだよ。』
ふと慎くんを見ると目を見開いて僕の真剣に聞いてた。
『壱馬様の過去は、本人から何回も聞いたんだ。彼は元々天使だったんだ。しかも天使の王族、将来の王様だ。彼の家族は父、母、兄の4人だったらしい。兄はとても意地悪でずる賢い人で父は壱馬様を将来の王にすることにしたんだ。』
『あ。さっき、僕悪魔は自滅しない限り死なないって言ったよね?それは嘘。壱馬様だけが知っている。天使時代だった頃、父からよく聞いていたらしい。だけど、彼の父は悪魔は可哀想な生き物だと言って殺さない方法を探していた。悪魔を人間にする方法をね。
大丈夫?僕、話を伝えるのの苦手なんだよね笑』
慎「大丈夫ですよ。」
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作者名:丸ごといちご | 作成日時:2020年8月27日 21時