親と愛と双子と ページ6
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「あの子、やっぱり棄てるべきだわ!」
「アカン、棄てたらまた下手にばれてしまう」
俺と愁太が寝静まったときに話していた会話
俺は寝れなくて、いつの間にか二人の会話を聞いていた
「けど孤児院にも預けるわけにはいかない!」
それは金持ちになってしまったという母の邪魔なプライド
孤児院に預けてしまえば、自分のプライドに反することなのだろう
「じゃあいっそのこと殺してしまおうか」
「そうしたらあの子の処分が面倒くさいわ」
はよ…そうしたらええのに
俺は早くこの世界から抜け出したかった
こんな世界なんか、俺には必要あらへん
なのに、なんで絶え間なく涙は溢れてくるん?
俺はこの涙の意味なんかわかりもしなかった
次の日、何やら厚い資料を持った男の人が俺らの家に訪ねた
「えー、私
能力育成学校研究所所属の風間俊介と申します
今回は奥さんの双子の息子さんの兄、淳太さんについて伺いに参りました」
母は怪しみながらも風間さんを中に入れた
そして彼は一枚の紙を机を挟んで向かい合って座っている母に差し出した
「簡単です。淳太さんを我々に引き取らせてもらえませんか?
彼は能力者として超一流のセンスを持っております
私らでよければ、彼を引き取り、育てて差し上げましょう」
「…是非!」
母は今まで見たことのない笑顔で、頷いた
「それではこの書類に判子を押してください」
母は何の躊躇いもなく判子を押した
しかしそこで風間さんは条件を出した
「ですが、条件として毎月我々の学園にお金を寄付させていただきます
我々の学園は皆様の提供によって独立しています
中間様のお力あれば、我々はもっと世界に貢献できると思いますので」
母は少し顔を歪めた
それはまるでなんでこの子に金を与えなくてはならないの?と言っているようだった
「ではこの合意書は破棄させていただきますね」
「わ、わかりました…!
毎月必ず寄付しますので…淳太を…、この化け物を引き取ってください!」
すると、風間さんは怪しく笑った
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作者名:ぜんまい | 作成日時:2015年5月9日 20時