30【JM】 ページ30
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腹が立って、どうしようもない。
何もかもが最悪だ。
張り付く汗も、鬱陶しい声も、Aちゃんではない誰かの身体も。
全てが気持ち悪い。
ああ、だめだ。気を抜いたら、吐いてしまいそう。
もう、だめなんだ。
Aちゃんしか、無理なんだ。
ベットでAちゃんを見下ろして、キスをして、身体を触って、髪を撫でて。
Aちゃんが、甘い声を出して、テヒョンに抱きつくのか。
そんなの、嫌だ。
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「ジミン、?」
服に手をかけようとしたとき。
ぴたりと手は止まる。
無理だ。
興奮のひとつも感じない。
こんなこと、初めてだ。
ベットから降りて、冷蔵庫から水を取り出した。
「ちょっと、ジミン!?」
「…あー、ごめん。今日、無理かも。」
「何言ってるの、……ねえ、私が何かだめだったなら直すから、お願い……何でもするから…」
吐き気がする。
水を無理やり流し込んで、冷蔵庫に水を戻す。
「何でもって言った?」
「え?あっ、うん……何でもするよ、お金ももっと払うし、ほら、私がジミンくんに、」
そう言って触れてこようとした女の子の手を、振り払う。
違うんだよ。ほしいのは、それじゃない。
Aちゃんの声が、体温が、笑顔が、欲しい。
「じゃあ、Aちゃんみたいになってよ、おねがいだから。それだったら、代わりにできるから。」
分かってる。
自分が嫉妬していることを、僕が一番知っている。
いやだ。
僕以外の人間が、Aちゃんに触れるのは、嫌だ。
明らかに他の女の子と違う感情を持っていることなんて、分かっていた。
「……ど、どういうこと…?Aって、誰、」
「無理だよね。ごめん。今日帰るから、お金いいよ。」
「ねえジミンくん、ちょっと、帰らないで!!……お願いだから…その人の代わりで、いいから、」
そう言って涙を零す女の子。
名前すら覚えてない。
もう、抱けない。
この子だけじゃない。
多分、他の子も。
ああ、もう、ムカつく。
くだらない涙も、テヒョンなんかに身体を許したAちゃんも。
「…代わりじゃ、意味が無いから。」
もう、いいや。
直接会って、この不満をぶつけてしまえばいい。
テヒョンに汚されたままなんて。
絶対、許さない。
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いつき(プロフ) - sumikoさん» sumikoさん、コメント有難うございます。ナムさん、私もずっっと小説書きたかったので、ぜひ頭のいいナムさんに翻弄されるお話書きたいですね…!!有難うございます、これからもよろしくお願いします! (2022年9月1日 16時) (レス) id: 1188f9dba1 (このIDを非表示/違反報告)
sumiko(プロフ) - 完結お疲れさまでした。出来れば、この話の続きで、クズなナムさんが見たいです。ユンギペンですが、頭の良いナムさんのクズっぷりが見たい! (2022年8月31日 16時) (レス) @page44 id: fdb03919c8 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - 南さん» 南さん、ありがとうございます!楽しく読んでいただけてうれしいです。ユンギさん!私も今とても迷ってます…!!次の作品でもよろしくお願いいたします! (2022年8月31日 13時) (レス) id: 1188f9dba1 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - sumikoさん» 今回は調子乗っちゃう系ジミンさんでやらせて頂きました、私もチョアーです笑 見ていただいてありがとうございます! (2022年8月31日 13時) (レス) id: 1188f9dba1 (このIDを非表示/違反報告)
南(プロフ) - 楽しく読ませて頂きました!ありがとうございます!次はユンギのお話がいいなぁ❤️ (2022年8月31日 9時) (レス) @page44 id: 9aaef54235 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いつき x他1人 | 作成日時:2022年8月15日 23時