検索窓
今日:12 hit、昨日:111 hit、合計:329,845 hit

17 ページ17

.








バチンッ、と久しく聞いてなかった生々しい音が耳に響く。





瞬間、ピリピリと痛む頬。

……ああ、叩かれたのは私か、と理解する。









「なんでこんな奴に…アンタなんていなければ、」




殺気を持った目。

あ、やばい、殺されるかも。







『………ごめんなさ、』






そう声を捻り出したとき。




身体が後ろに引っ張られて、視界が真っ暗になる。
柔軟剤の匂いが広がって、同時に圧迫感。








…抱きしめられてる。




多分、ジミンくんに。









JM「何してんの?」






頭上からする声。顔は見えない。

けれど、いつもの声ではない。
低く、痺れるような声。






明らかに、怒ってる。







「ジミンくんがこんなおばさんを優先するからっ、!!」

JM「Aちゃん、ごめんね。痛かったよね、ごめん、すぐ冷やそう」

「聞いてるの!?ねぇ!!」






劈く声と同時に、ジミンくんの優しい声が耳に入る。


……頭が、痛くなる。







JM「何?耳障りだから静かにしてもらっていいかな。」






ジミンくんの一言が、空気を凍らせる。
私も、思わず痛みを忘れて息を呑む。




女の子が一瞬押し黙って、すぐにまた声がした。







「……いいの?ジミンくん、私がいなかったら、」





JM「何回言わせれば気が済むのかな。君はいなくても僕は平気だよ。でも、君は間違えたね。この子じゃなくて、僕を殴ればよかったのに。




ねえ。ここで通報されるのと、ここで視界から消えるの、どっちがいいの?」








たしかに私は巻き込まれて殴られたわけではあるけれど。


女の子の気持ちになってみると、私は確かに悪者だ。
お金を払って貰う幸せに、悪いことはない。






私はなぜかジミンくんにおもちゃにされているだけで、羨ましがられることもないけど。










JM「ごめんね。本当にごめん、家寄っていい?頬冷やすから、」





そうやって私の頬を撫でるジミンくんの手は、
少しだけ、あたたかい。

18→←16



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (582 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1523人がお気に入り
設定タグ:防弾少年団 , bts , ジミン
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

いつき(プロフ) - sumikoさん» sumikoさん、コメント有難うございます。ナムさん、私もずっっと小説書きたかったので、ぜひ頭のいいナムさんに翻弄されるお話書きたいですね…!!有難うございます、これからもよろしくお願いします! (2022年9月1日 16時) (レス) id: 1188f9dba1 (このIDを非表示/違反報告)
sumiko(プロフ) - 完結お疲れさまでした。出来れば、この話の続きで、クズなナムさんが見たいです。ユンギペンですが、頭の良いナムさんのクズっぷりが見たい! (2022年8月31日 16時) (レス) @page44 id: fdb03919c8 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - 南さん» 南さん、ありがとうございます!楽しく読んでいただけてうれしいです。ユンギさん!私も今とても迷ってます…!!次の作品でもよろしくお願いいたします! (2022年8月31日 13時) (レス) id: 1188f9dba1 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - sumikoさん» 今回は調子乗っちゃう系ジミンさんでやらせて頂きました、私もチョアーです笑 見ていただいてありがとうございます! (2022年8月31日 13時) (レス) id: 1188f9dba1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 楽しく読ませて頂きました!ありがとうございます!次はユンギのお話がいいなぁ❤️ (2022年8月31日 9時) (レス) @page44 id: 9aaef54235 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:いつき x他1人 | 作成日時:2022年8月15日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。