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バチンッ、と久しく聞いてなかった生々しい音が耳に響く。
瞬間、ピリピリと痛む頬。
……ああ、叩かれたのは私か、と理解する。
「なんでこんな奴に…アンタなんていなければ、」
殺気を持った目。
あ、やばい、殺されるかも。
『………ごめんなさ、』
そう声を捻り出したとき。
身体が後ろに引っ張られて、視界が真っ暗になる。
柔軟剤の匂いが広がって、同時に圧迫感。
…抱きしめられてる。
多分、ジミンくんに。
JM「何してんの?」
頭上からする声。顔は見えない。
けれど、いつもの声ではない。
低く、痺れるような声。
明らかに、怒ってる。
「ジミンくんがこんなおばさんを優先するからっ、!!」
JM「Aちゃん、ごめんね。痛かったよね、ごめん、すぐ冷やそう」
「聞いてるの!?ねぇ!!」
劈く声と同時に、ジミンくんの優しい声が耳に入る。
……頭が、痛くなる。
JM「何?耳障りだから静かにしてもらっていいかな。」
ジミンくんの一言が、空気を凍らせる。
私も、思わず痛みを忘れて息を呑む。
女の子が一瞬押し黙って、すぐにまた声がした。
「……いいの?ジミンくん、私がいなかったら、」
JM「何回言わせれば気が済むのかな。君はいなくても僕は平気だよ。でも、君は間違えたね。この子じゃなくて、僕を殴ればよかったのに。
ねえ。ここで通報されるのと、ここで視界から消えるの、どっちがいいの?」
たしかに私は巻き込まれて殴られたわけではあるけれど。
女の子の気持ちになってみると、私は確かに悪者だ。
お金を払って貰う幸せに、悪いことはない。
私はなぜかジミンくんにおもちゃにされているだけで、羨ましがられることもないけど。
JM「ごめんね。本当にごめん、家寄っていい?頬冷やすから、」
そうやって私の頬を撫でるジミンくんの手は、
少しだけ、あたたかい。
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いつき(プロフ) - sumikoさん» sumikoさん、コメント有難うございます。ナムさん、私もずっっと小説書きたかったので、ぜひ頭のいいナムさんに翻弄されるお話書きたいですね…!!有難うございます、これからもよろしくお願いします! (2022年9月1日 16時) (レス) id: 1188f9dba1 (このIDを非表示/違反報告)
sumiko(プロフ) - 完結お疲れさまでした。出来れば、この話の続きで、クズなナムさんが見たいです。ユンギペンですが、頭の良いナムさんのクズっぷりが見たい! (2022年8月31日 16時) (レス) @page44 id: fdb03919c8 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - 南さん» 南さん、ありがとうございます!楽しく読んでいただけてうれしいです。ユンギさん!私も今とても迷ってます…!!次の作品でもよろしくお願いいたします! (2022年8月31日 13時) (レス) id: 1188f9dba1 (このIDを非表示/違反報告)
いつき(プロフ) - sumikoさん» 今回は調子乗っちゃう系ジミンさんでやらせて頂きました、私もチョアーです笑 見ていただいてありがとうございます! (2022年8月31日 13時) (レス) id: 1188f9dba1 (このIDを非表示/違反報告)
南(プロフ) - 楽しく読ませて頂きました!ありがとうございます!次はユンギのお話がいいなぁ❤️ (2022年8月31日 9時) (レス) @page44 id: 9aaef54235 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いつき x他1人 | 作成日時:2022年8月15日 23時