好きになっちゃいけないと？《レペゼン地球》

さんじゅうはち ページ44

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「皆なんてもう知らん！
A、家帰るけん、ほっといて！！」


驚いたように目を見開く三人に背を向けて
私はゲームセンターから飛び出した。


きっかけは本当に些細なことで
普段なら絶対に怒らないようなことだった。


それでも何故か今日は無償に腹が立ってしまった。


ゲームセンターから飛び出して、少しだけ後悔する。


……みんな驚いとったよね。


いつもは、あんなことで怒らんけん……。


小さな罪悪感が胸のなかで芽生えはじめて
私は自分に言い聞かせる。


いや、私は悪くないやろ。


いつもは我慢してるだけで、怒って当然ばい。


何度言い聞かせても、足取りは重くなる一方で。


……三人とも、私のこと面倒くさいと思っとうかな。


嫌んなっとうかな。


歩みを進めていた足が、止まる。


「……どうしよう」


三人のもとに戻りたくて堪らなかった。


今行けば、きっと仲直りできる。


けれど自分の中の
くだらない小さなプライドが邪魔をする。


私は結局、謝ることもできずに家に帰ってしまった。

＊

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