好きになっちゃいけないと？《レペゼン地球》

さんじゅうさん ページ38

＊

「反省文……、どーしよ」


家に帰って、反省文と対峙する。


反省文って言ったって反省しとらんもん
書くことなんてないばい。


……そう言えば今日、あんまり脇先生と会わんかったな。


会ったときも他の先生と話してたし。


あ、でも銀太たちの体育のときに
ちらっとだけ見たな。


いつの間にか、考えが脱線してきて、我に帰る。


今は反省文を書かんと、しかも三枚も。


考えただけで、やる気がなくなっていく。


気分もだんだん落ちていって、机に突っ伏した。


すると、向かいの窓が開く音がする。


カーテンを開けると銀太が顔を出していた。


私もそれを見て窓を開ける。


「A反省文書いたと？見せて」


「まだAも書けとらんけん見せれん」


私がそう言えば銀太はえぇ、とがっかりした顔をする。


「何書けば良いかわからんっちゃけど」


「そんなのAだってわからんとよ」


二人で唸っていると銀太があ、と声を出す。


「なしたと？」


「今日の日記書けば良いばい！」


銀太が名案だ！と言わんばかりの顔で言う。


「反省文やないやん……でも、それ良いっちゃん」


私もそう言えば銀太は嬉しそうに
「書いてくるばい！」と窓を閉めていってしまった。


私も窓を閉めて反省文とまた向き合う。


日記……、日記か………。


「……良いこと考えた」


私は笑みを浮かべながら、原稿用紙に書き始めた。

＊

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