好きになっちゃいけないと？《レペゼン地球》

じゅうよん ページ15

＊

「ママおかえり」


玄関まで行ってママにハグをする。


するとママに優しく頭を撫でられて顔をそっと上げれば
ママは優しい笑顔を浮かべていた。


「Aちゃんは、良い子ねぇ」


鈴の音のようなころころとした
可愛いママの声に褒められて私は嬉しくて目を細める。


「……また、来てたの？」


さっきまで騒がしかった二階を見上げてママが私に聞く。


きっと、銀太たちのことだろう。


「うん、今さっき慌てて帰ったよ
ほんとに、うるさいったらありゃしない。」


私が顔をしかめるとママは
少しだけ考えるような顔をしたあと
ふにゃりと顔を綻ばせて笑った。


「Aちゃんは、大事にされてるのねぇ
きっと、皆から愛されてるのね」


ママは嬉しそうに間延びした声でそう言う。


何で、大事にされてるって思ったんだろう。


「どういう意味？」


私が聞くとママは少しだけ意地悪な笑みになる。


「そのうちわかるわよ」


私の頬を冷えきった手で包んで
鼻に優しいキスを落とすママ。


ママはそのまま可愛い鼻唄を歌いながら部屋に戻っていく。


「……ご飯作ろ」


心が暖まっていくのを感じながら、私は台所に向かった。

＊

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