君の嘘【Masai】

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なんで。


なんでなんだよ。

Aの消えた屋上に座り込む。


涙でぐしゃぐしゃのあいつの顔を思い出した。


伝わってなかったのかよ。


好きだったんだよ。


特別だったんだよ。


大切で、大切で、傷付けたくなかった。


ファンにバレて、お前が傷付けられるのが嫌だった。


だから、外にだって出たくなかった。


外に出ても、手さえ繋げなかった。


お前に迷惑かけたくなくて、バイトもした。


毎日のように会いに行って
鬱陶しく思われたくなかった。


好きって言うのが照れ臭くて、言えなかった。


きっと、伝わってる。


そう思ってたんだ。


伝わってねえじゃん。


伝わるわけねえじゃん。


俺は馬鹿だ。


お前を傷付けてばっかりだ。


最低だ。


くそやろうだよ。


「Aっ、A……っ。」


どうか、どうか夢であってくれ。


サイレンの音を聴きながらそう願った。


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