燃え尽きてしまえ【AVANTIS】 (ページ31)

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若いページ31

「霧島さんですか?」

そんな声に振り向けば、どうやら高校生らしい
二人組の男女が顔を輝かせて私を見ていた。

「霧島?その人、有名人なの??」

少しだけ揶揄っちゃおうかな、なんて思って
首を傾げて見せれば慌てたように頭を下げる女の子。

「ごめんなさい!人違いしちゃったみたいです!!」

顔を若干赤らめてペコペコと頭を下げる姿に
私は慌てて笑いながら彼女の肩に触れる。

「うそ、あってる。霧島だよ、ごめん」

私のその言葉に勢いよく顔を上げた女の子は
瞳をキラキラと輝かせて笑った。

「本当ですか!?私、ファンなんです!!」

「ありがと。私も君のファンだよ」

そんな冗談を言って握手をすれば可愛らしい声を出して
隣の男の子の肩を嬉しそうに叩く。

「かぁわいいなぁ君たち。カレカノかい?」

私の言葉に効果音が付きそうな勢いで顔を赤くする二人。

「違います!!幼馴染みなんです!!」

「お前っ!全力で否定すんなよな!!」

あらまあ、青春だこと。

私は少しだけ微笑ましくなって笑う。

「そっか、要らんこと言っちゃったかもね。
　でも、仲良しで良いね。二人とも」

私のそんな言葉にこくりと頷く二人。

「アバンティーズみたいに、大人になっても
　一緒にいたいって思ってるんです」

照れたように笑った男の子に隣にいた女の子が
頬を赤らめて幸せそうにはにかんで笑う。

「そりゃ嬉しい」

そんな二人と写真を撮って、別れたあとに私は息を吐く。

何だか、私まで若返った気分だ。

あの二人が付き合うのは、一ヶ月後?それとも、一年後?
何にしろ、私みたいにならなければ良いなあ。なんて
余計な心配までしてしまった。

「…老けたなあ……」

私は思わず、苦笑いを浮かべた。