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準備を整えて、リビングに向かう。
リビングで談笑していた4人は私を見て顔を上げる。
そらちぃ「寝てたん?」
そらちぃを無視して撮影部屋のソファに一人で座った。
エイジ「A?」
違和感にいち早く気付いたエイジが私の方を見る。
私はそんなエイジを合図に、俯いて涙を流す準備を始める。
涙腺を刺激させて、鼻の奥がツンとする感覚に
私はわざとらしく鼻を啜った。
すると4人は目を丸くして顔を見合わせる。
その動きがあまりにも揃ってて笑いそうになるのを堪えた。
そして私は服の袖で目元を拭う。
ツリメ「泣いてる……?」
リクヲ「A?どうしたの?」
ツリメが戸惑ったような声を出して、4人は
私のいる撮影部屋へと慌てて駈けてくる。
「……大丈夫」
泣いてない。
声を震わせて俯きながら言えば4人は
更にパニックに陥ったように挙動不審になる。
エイジ「何かあったの」
エイジがそう言って私の顔を覗き込もうとする。
私はそんなエイジから顔を隠すように深く俯いた。
そらちぃ「A、辛いならちゃんと言って」
そらちぃが真剣な顔をして私の背中を優しく撫でる。
私はしゃくり上げながら首を横に振る。
「…泣き、たくな……い」
ツリメ「泣いても良いんだよ」
リクヲ「Aはいつも一人で溜め込んじゃうからさ
もう少し俺らに頼ったって良いんだよ」
ツリメが優しい声でそう言って、
リクヲが笑いながら私の頭を撫でた。
段々と私の良心が痛んできたのでネタバラシをすることにする。
「……っ、つらくて……、4人のこと、
騙すのが、…だってこれ、ドッキリだし……!」
すると、宥めるように私の背中を撫でていた手が止まった。
エイジ「……は?」
「…ごめん、超ドッキリ」
顔を上げて涙を親指で拭いながらけろりと言えば
エイジは「もぉぉ、最悪……!」と両手で顔を覆い
そらちぃは「ウザ!!」とその場に倒れ込み
リクヲは「うわ、騙された…!!」と頭を抱えて
ツリメは「演技上手すぎでしょ!!」と笑った。
「はい、というわけでみんな騙されてくれましたー
そんでもってみんなとても優しい。良い仲間でござります」
エイジ「本気で心配したのにさぁ〜」
そらちぃ「霧島が泣くとかよっぽどのことだと思ったわ!!」
ツリメ「流石元劇団員」
リクヲ「でも、辛いときはほんとにちゃんと言ってね!」
4人が想定外に優しい反応をしてくるので、
私は思わず目を見開いて驚いた。
「皆が優しくて私がクソ野郎というまさかのオチ」
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作者名:ち ゅ ん ぴ | 作成日時:2019年2月21日 21時