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シルクが俺にここで待ってて、と
先に家の中に入ってから数分が経った。
今のこの透けた体じゃ壁に寄りかかることもできず
ただ玄関の前で突っ立っていた。
耳を澄ませば楽しそうな談笑の声が聞こえて
俺も早く入りたいな、なんてそわそわする。
シルクばっかりずるいや。
俺だってダーマと話したいのに。
少しだけ拗ねて頬を膨らませていると
シルクが笑いながら玄関に向かって走る音と
ダーマが引っ張られ困惑する声が聞こえる。
「なんだよ。」
「いーからいーから。ほら。」
シルクが笑顔でドアを開けると
怪訝な顔をしたダーマと目が合う。
その目の下には、濃い隈があった。
「ダー、マ……。」
突然のことでダーマの名前を間抜けな声で呼べば
ダーマは怪訝そうに細められていた目を見開いた。
「……は?
お前、なんで……。」
そう言ったダーマはその場に尻餅をつく。
「えっ、ちょ、大丈夫!!?」
俺が慌ててダーマに駆け寄れば
「いてえ……。夢じゃねえのか……?」
なんて放心状態のダーマ。
シルクはそんなダーマを見てまるで悪戯の成功した
子供のような屈託のない笑みを浮かべた。
「ダーマ!やろうぜ、フィッシャーズ!!」
俺はそんなシルクに同調するように
ダーマの方を見てにんまりと笑って見せた。
「ダーマ、コンティニューだよ。」
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ち ゅ ん ぴ(プロフ) - Leafさん» ありがとうございます!!その言葉を励みに、日々精進しますね!これからも応援していただけたら嬉しいです。 (2018年6月20日 22時) (レス) id: 022154d35a (このIDを非表示/違反報告)
Leaf(プロフ) - めちゃめちゃ面白いです!続き待ってます (2018年6月20日 17時) (レス) id: b8ce9cd4fa (このIDを非表示/違反報告)
chisa12(プロフ) - はらさん» ご指摘ありがとうございます。訂正しておきますね。 (2018年4月26日 6時) (レス) id: 022154d35a (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグちゃんと外して下さいねー (2018年4月25日 21時) (レス) id: 3abbd88b82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ち ゅ ん ぴ | 作成日時:2018年4月25日 19時