白。【Fischer's】

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Ndaho side


「ねぇもっきゅん。」


俺が名前を呼んだら
君は優しい瞳を俺に向けるんだ。


「なあに？」


優しい声で、聞いてくれるんだ。


「痛くないの？」


なんて俺が聞いても困ったように笑うだけ。


「なんで？」


「…っ、なんで、って……。」


俺は弱いから、またすぐ泣いてしまう。


「えぇ、なんで泣くの？」


「……ごめんね。」


痛いよね。


辛いよね。


苦しいよね。


ほんとは、一番泣きたいんだよね。


しゃくりあげて言う俺に君はまた優しく目を細めるんだ。


「……大丈夫だよ、俺、幽霊だから。」


痛くも、辛くも、苦しくもないんだよ。


涙も、出やしないんだ。


「……っ、モトキのばか。」


「えぇ？ンダホ、ひどいよ。」


ばか。


ばか。


酷いのはモトキだ。


それなら、そんな顔して笑わないでよ。


＊

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