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知らないものは仕方ない。
知ったかしてボロが出るより、今後のためにもしっかり聞こう。
「えっと、横山さんのお隣がしぶや？しぶたにさん？どちらでしょうか？」
「う…ん。しぶや。」
「ありがとうございます。しぶやさんと。」
メモを取る私の目の前ですばやいつっこみが起きる。
パコーン
「こら、すばる嘘つくなやー。しぶたにすばるや。からかったらかわいそうやろ」
「悪い悪い。でもヒナ、すぐどつくなや。」
ヒナと呼ばれた人は流石に知っていた。
司会とか最近よくしてるよね。
月曜のなんだっけ？そう、夜更かし好きで観てるから。
「村上信五さんですよね。」
「おぉ、俺のことはさっと名前でるんや。」
「マツコさんとの観てるのでわかりました。」
よし。一通り名前と顔を確認し、スマホを閉じる。
「皆様、本当に失礼な態度すみませんでした。
今日、初めて一緒に仕事させていただくと聞いたので下調べも何もしてなくて本当にすみません。改めまして、私の名前はAと言います。よろしくお願いします。」
私は、失礼な対応したことを謝罪した。
「なぁ。俺のこと忘れてへん？」
そう。私はもう一人忘れていたのだ。
名前も顔もわかるからって、心の中で確認しスルーしてしまっていたのだ。
「大変申し訳ございません。錦戸亮さんですね。ドラマ一リットルの○とかラストフレン○など、拝見してましたので知ってましたので、心で確認して終わってました。すみません。」
あぁ、ほんとに最悪。
私はかなりテンパッていた。
「おぉん。えぇって。ドラマ観てくれてたんや。ありがとぅ。」
笑顔で答えてくれた。
錦戸さんが特別好きとかじゃなく当時話題だったドラマを観てただけなのに、お礼を言われるとなんか罪悪感を感じた。
「ほんとに、すみません。」
妙な空気が流れてる。
穴があったら入りたいって今の状況にピッタリだ。
この空気を変えてくれて、進行してくれたのは村上さんと横山さんで、いろんな案を出して行くのが安田さんや大倉さんが主で。
渋谷さんと錦戸さんは案を見てメリット、デメリットをあげていた。
私は何をしてるんだろう。
一人椅子の端に座りそれを眺め、たまにメモに取ったりするぐらい。
私居なくていいじゃん。
私にとって良い転機だと思ったけど、私のとこだけ雨模様。
企画を一から決めるってのも今、初めて知ったし。てかどんなコンセプトの企画かもわからないし。
先輩情報なさすぎ。私のことほんとは嫌いなんだ(泣)
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作者名：るん | 作成日時：2019年9月9日 20時
