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一通り食事を終え、近くのソファに促される。オリヴィアさんは大きなロッキングチェアに腰掛け私とは向かいあって座っている。もふ子は私の膝の上に乗っかり、丸まっている。
「えぇと、まずもう1回名乗り直そう、私の名前はオリヴィア=ソルシエールで、そのチビが、ノルンだ。これでも神獣だ。今はノルンとその弟のスクルドと私の3人で暮らしている。」
「お前に仕える下僕だ。主になれたことに感謝するんだな!」
「う、うん。」
結構下僕って言う割に態度でかいねとか思ってしまう。
「え、あのすみません、神獣ってなんですか?」
「あぁ、あっちの世界では神獣は馴染みがないのだな。
神獣はまぁ、その名の通り神に仕える者だ。この世界に何か異常が起こり、それを阻止するべきときになったとき、異世界からの勇者を連れてくるのだ。」
「へーー。
ん?」
ゆ、ゆ勇者ですか!?ラノベとかによくあるやつ!?異世界転移的な!?いや、1回は異世界いってみたいなーとかおもったことはあったけど、けどけど、それは妄想というか、まさか私が…。
まさかね。
うん。だって、なんか異世界来た感ない。何かのドッキリか何かだろうか。
つい乾いた笑いを出してしまう。
「―――フラティカ」
その時、机の上にあった本の下に青白い魔法陣が出現しそこから光が弾け飛んだ、そしてキラキラと輝いている本は浮かび始めたではないか。
「あ…え…。」
「これは魔法だ。ちなみに動物や人間も持上げることもできる。」
と、もふ子もふわふわさせ始めた。
やがて、魔法の効果がきれたのか、いきなりもふ子が地面に叩きつけられる。
あら、痛そう。私がおいでと手招きをするとオリヴィアさんに少し文句言いながら私の膝の上にまた丸まった。気に入ったのだろうか。
「は、はい。で、でもなんでその、いきなり魔法なんかを…。」
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作者名:Chiroru | 作成日時:2019年1月3日 15時