ジョルノくんに嫌われているのですが。

初めましての ページ2

綺麗な海と白い雲、優しく吹くそよ風。観光客の楽しそうな声で賑わうネアポリスの町＿＿。


そして全力で走っている少女＿＿＿
複雑な道を迷いなく駆ける。
途中、大好物のジェラートの店を見つけたが、勿論無視。
小さな子供に、「あのお姉ちゃんどうしてあんなに走ってるのー？？」とツッコまれたのも知らんぷり。


少女は非常に焦っていたのである。
その理由は…




『はぁ…はぁ……お、お待たせしてすみませんっ!!!!!!』


呼吸は荒く、じんわりと汗を浮かべ、申し訳なさそうに謝る彼女。名は、A･テイラー。

それもそのはず、今日は新しい仕事の上司と初対面の日。
仕事場と生活の住処、正式には"アジト"に案内してもらう予定だったのだ。

「いや、気にする事はない。たったの5分だ。まぁ、トラブルか何かに巻き込まれたのかと少し心配だったがな。」

私が待ち合わせる予定だったこのおカッパ頭の男、ブローノ･ブチャラティは爽やかな笑みを浮かべる。

地味に圧がすごいんだよなァ…そう思いながらヘコヘコと頭を下げる。

「本当に申し訳ございません…あ、えっと、A･テイラーです。今日からよろしくお願い致します…！」

そう言うと、そんなに緊張しなくてもいいんだぞ、とクスリと笑う。歳上の色気というのか、なんというのか、ほんの少しドキリとした。

「俺はブローノ･ブチャラティだ、宜しく。」
彼はそう述べると、手を差し出した。


『……はい！こちらこそです！ブチャラティさん！』


にっこりと笑ってこちらも手を差し出す。
心配だったけど、なんとかやって行けそうかも……！

そう思い、Aは眩しそうに目を細め、澄んだネアポリスの空を見上げたのだった。








この後、もうギャングなんて懲り懲りだ！と思うのも知らずに＿＿＿。

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