四十四 ページ45
善逸side
カナエさんはまま話し続ける。おっとりした笑顔の裏には、Aちゃんに心身共に暴力をふるい続けた青城選手らへの、悪意が見え隠れた。
やっぱりこの人は腐ってもしのぶさんの姉だ。
「鬼殺隊の皆はね、殆どが肉親を鬼に殺されたり、自分の幸せを全て鬼に奪われた人達なの。
勿論あの子も例外じゃないわ。
だから、私達がまだ何も巻き込まれていない貴方達を命掛けてでも守り抜くと決めている。その信念があるからこそ、鬼殺隊の存在は辛うじてマイナーな都市伝説程度の扱いですんでいるの。
なのに、命の恩人に対して人殺し軍団だとか、あまつさえ実は鬼が大したこと無かったんじゃ無いのかとかいちゃって、
貴方達がAを侮辱する権利何てこれっぽっちも無いわ」
そういいながら指でこれっぽっちを示すカナエさんに、青城のみならず選手ら全員が震えた。
「流石は“悪魔に従える天使達”の異名を持つ胡蝶姉妹だぜ」
「普段の天使のような微笑みから一変、悪魔の化身のような凄みを出しながら怒る胡蝶姉妹は実はM思考を持つ男子らにも強い支持をえてんだよな」
何て烏野からちょっとヤバめの会話が聞こえてくるなんて俺は知らなーい。
軽く目を反らして口笛を吹く真似をしてたら、教師陣から声が聞こえた。
「・・・確か、アイツの登録されている保護者って、胡蝶さんでしたよね」
青城の若いコーチだ。若干カナエさんのギャップに引きながらも、真っ直ぐな目をして話しかけてきた。
「ええ、そうですが、何か?」
「いや、さっき鵺鳥も親を鬼によって失ったと言ってたので、アイツになんかしらの過去があるのかと思って」
つまり、Aちゃんの過去を教えろと。
そう言えば、Aちゃんは何で鬼殺隊に入ったんだろう。
「それは、赤の他人に、しかも、Aを嫌っている人達に対して他人の過去を赤裸々にせよと」
「あっ、いや、純粋に疑問だっただけで」
今度はしのぶさんの地を這うような声に体育館の気温が十度下がった。
「まあ、ここまでばらしちゃったし、いいんじゃない」
「え、ちょっと姉さん!」
まさかAちゃんも寝てる間に嫌いなやつらに過去がばれてる何て思いもよらないだろうなー。
一人遠い目をする俺。そのなかで、もうカナエさんは話し始めた。
「Aはね・・・」
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りんこ(プロフ) - シンアさん» 思いっきり誤字ですね…申し訳ありません。報告ありがとうございます! (2022年1月9日 19時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
シンア(プロフ) - みんな優しくてかっこよくて、面白かったです!あと、三十話の漢字が猫駒になってたのですが、音駒だと思います! (2022年1月9日 17時) (レス) @page32 id: a3f48aea4e (このIDを非表示/違反報告)
chiriko0620(プロフ) - 有り難うございます!最近忙しくて更新が滞り気味なのですが、出来るだけ出来るよう頑張ります (2020年7月2日 7時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 面白すぎます!!更新頑張って下さい!! (2020年7月1日 21時) (レス) id: e4678e2dff (このIDを非表示/違反報告)
chiriko0620(プロフ) - むいみおさん» 有り難うございます!コメントくれるとこちらも凄く嬉しいですp(^^)q (2020年6月20日 20時) (レス) id: 5b2ad52f60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんこ | 作成日時:2020年5月13日 12時