いつも、君と。3rd

26．M2 ページ35

(若林side)








「あらあ、勇人さんの
公開ノックみたいになってますねえ(笑)」

2「わ、びっくりした…お嬢か」

「なんですか、私じゃ不満ですか」





そう言って裏からベンチを覗き込む
Aさんに”ごめんごめん”なんて
爽やかに笑って答えるダイさんは
男の俺から見ても男前。





「あんなに無茶していいんですかね、あの人」

2「…うーん、なんとも言えないね」





下半身の張りを訴えながらも
試合に出続ける勇人さんを見て
ダイさんもAさんも苦笑い。





「本人はやるしかないとか言ってますけど
もう同じこと繰り返したくないんです」

2「…大丈夫だよ」

「…何でわかるんですか」

2「勇人はお嬢を困らせるようなことしないから」

「…」

2「智之はそういうとこ不器用だけど
勇人はそういうとこ器用だから(笑)
でもふたりともお嬢を思ってる証拠でしょ？」

「…ダイさんかっこいい」

2「はは、ありがとう」





いやそこは勇人さんと菅野さんでしょ！って
突っ込みたくなるふたりの会話に
思わず笑ってしまう。






「なに若くん笑ってるの！」

60「いや、なんでもないです(笑)
…あ、勇人さんの冷凍庫に
野菜入れたのってAさんですか？」

「…あ、やっば」

2「何してんの(笑)」

60「…やっぱり」

「お、怒ってた？」

60「笑ってました、絶対Aやろって」

「ちょっと借りて
入れたのすっかり忘れてた！」

2「そんなことできるのお嬢ぐらいだから」

「へへ、ありがとうございます」





だから褒めてないんだってば、なんて
本人は楽しそうだから黙っておくけど。





「あ、交代だ！野菜取ってこなきゃ！」

2「気をつけなよ
そんな急いだら転ぶ…っていないし」

60「…何しにベンチ来たんですかね」

2「心配なんだよ
ギリギリでやってる勇人のこと。
智之のことがあった後だし」

60「そう、ですよね」






普段はあんなんだけど
誰よりも俺たち選手を見てくれているのはきっと
Aさんで。


今までたくさんのことを犠牲にしてきただろう
Aさんを笑顔にしたい気持ちは
勇人さんや菅野さんは人一倍強いと思う。






2「お前もまだまだだな〜(笑)」

60「…頑張ります」





そんなAさんの気持ちに
気付けるダイさんはやっぱり男前だ。







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(明日勝って優勝明日勝って優勝)
6(何こいつ、怖いねんけど)
2(今いっぱいいっぱいだから(笑))



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