◇ 中川皓太 ページ11
-あやか様リクエスト-
駅前に10時ね、なんて言っておいて
20分過ぎた今も皓太くんは現れないどころか
送ったメッセージに既読すらつかない。
そこに建てられた大きな時計を見上げて
思わずため息をついた。
.
「幸せ逃げますよ、お姉さん」
「...え?」
そういって、にこりと笑った男の人に
見覚えはない。
「今ひとり?」
「...彼氏待ってるんで」
「今からどっか行かない?」
「...」
「お姉さんモテるでしょ美人さんだもん」
「...」
「ねえねえ聞いてる?」
.
こういう時は決まって彼氏や好きな人が
俺の彼女に何か、なんて助けてくれる
マンガの世界とは随分違うんだななんて
冷静に思っていると
「こいつに何か用っすか」
「...誰あんた」
「皓太くん、」
「こいつに何か用かって言うてんねん」
可愛い顔から飛び出した
きつい関西弁とすごい剣幕からか
その男の人は足早に去っていった。
.
「なに変な奴に声かけられてんねん」
「...」
「だいたいな、そんな恰好声かけて
って言うてるようなもんやからな」
「...」
「...あ、いや、ごめん」
何も言い返さない私に
ハッとした皓太くんは私の手を引いて
近くに停めていた車に乗り込んだ。
.
「...20分遅刻」
「ごめん」
「皓太くんがちゃんと来てくれたら
こんなことにはならなかった」
「うん」
「あんな人に可愛いって
思われたって皓太くんに思われなきゃ
こんな格好意味ないもん」
そういうと
皓太くんにぎゅっと抱き寄せられる。
「...皓太、くん?」
「外で待ち合わせするのやめよ」
「...」
「これから家まで迎え行くし」
「...」
「うん、そうしよ」
「...へへ」
「...なに笑ってんだよ」
普段あまり気持ちを言葉にしない
皓太くんだけど息を切らしてあんな剣幕で怒る
姿を見てたら十分すぎるくらいに伝わってきて。
「さっき漫画みたいでかっこよかった!」
「...はあ?」
「皓太くん好き!」
「...はいはい、」
「それでも好き!」
「...わかったからうるさい」
そういってキスをした皓太くんは
私なんかより何枚も何枚も上手だった。
.
(ていうかなんで遅かったの?)
((楽しみで夜寝れなくて寝坊したなんて言えねえ...))
(み、道が混んでて!)
.
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G党ミオ - chipi_さんが作る作品がお気に入りで、いつも楽しみにしてます。リクエストなのですが、中川皓太くんがプロポーズするお話を作っていただけませんか?よろしくお願いします (2021年6月10日 22時) (レス) id: d7c47ae9fa (このIDを非表示/違反報告)
mei - いつも楽しく読ませていただいてます!リクエストさせて頂きたいのですが、小林選手が照れながらプロポーズするお話が読みたいです!ぜひ、ぜひ、よろしくお願いします (2021年6月9日 0時) (レス) id: f950a5ae0e (このIDを非表示/違反報告)
静か - ありがとうございました!キュンキュンしました! (2018年6月22日 0時) (レス) id: f8c1217f13 (このIDを非表示/違反報告)
c h i p i _(プロフ) - 静かさん» リクエストありがとうございます!陸上のことは詳しくないのでうまく書けるかわかりませんが書かせていただきます(^O^)/ (2018年6月19日 13時) (レス) id: 85f0030b9f (このIDを非表示/違反報告)
c h i p i _(プロフ) - レイラさん» かしこまりました!書かせていただきます(^O^) (2018年6月19日 13時) (レス) id: 85f0030b9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:c h i p i _ | 作成日時:2018年3月9日 14時