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玲於side
それから、他の雑貨屋や服屋をブラブラして、気がつけば、街が夕日に包まれる頃になっていた。
A「今日は楽しかったな。」
玲於「あっという間だったね。」
A「…うん」
ふと隣のAを見ると、寂しげな目をしていた。
玲於「色んなところ連れ回したから疲れちゃった?」
A「ううん、全然平気。ただ、もう一日が終わっちゃうのかって思ったら少し寂しくて笑」
そんなこと考えてくれてたのか…
A「あっ、どうしても欲しいのがあるから、さっきの雑貨屋さんもう1回行ってもいい?」
玲於「いいよ」
雑貨屋に戻り、Aが手にしたのは、小さな瓶。
A「これに砂浜の砂詰めたいなって。思い出に。」
玲於「いいね。俺もする」
小さな瓶に砂を詰める。
何の変哲もない砂だけど、瓶に入った砂は輝いて見える。
帰りの電車、瓶を大事そうに抱えたAは列車に乗るとすぐさま寝てしまった。
長いまつ毛。小さな寝息を立てる口。
今日は本当に幸せな1日だった。
玲於「…A、降りるの次だから起きて」
A「…うん」
眠そうに開かれる瞼。
何もかもが愛おしい。
玲於「今日はありがとね。楽しかった。」
A「私も。玲於くんと一緒にいれて良かった。」
ん?
今なんて言った?
玲於「…A、今…玲於くんって言ったよね?」
A「…あっ、ほんとだ。いつの間に…佐野く…」
玲於「ううん、嬉しい。佐野くんより、玲於くんの方が」
A「…じゃあ、…玲於くん」
はにかみながら名前を口にするA。
今日一日で、Aとの距離が近づいた気がする。
本当に幸せな1日だった。
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ぴーてぃ(プロフ) - 完結おめでとうございます!続編とか、作ってほしいです!その後が気になります・・・。 (2020年12月20日 22時) (レス) id: 36c3584396 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mina | 作成日時:2020年12月12日 18時