粟田口短刀に成り代わったら、勘違いされてるんですけど【刀剣乱舞】

三十六話 ページ46

乱と行光くんが胸ぐらをつかんだ手を離させ、守るように前に立つ

一瞬怯んだように見えたが、また吠え始めた

男審「とぼけんなよ······！？じゃなきゃなんで俺が負けた？」

レベル不足では？

俺で倒せるレベルの太郎太刀さんなんだから

乱の後ろに立ち、静かに蔑みの目で見つめていた

夕「······実力差ですよ」

主も同意見のようだ

こんな陳腐な小説みたいな悪役も珍しい

蔑み通り越して、ある意味興味が湧いたよ

······最も、俺のそんな気持ちは次の一言ですっ飛ぶこととなった

男審「そんな訳ねぇだろ！短刀ごとき(・・・・・)に太刀が負けるわけねぇ！」

短刀ごとき、だって？

自分の中の何かが切れた音がして、脊髄反射で本体を相手の首に突きつける

貴「それは、短刀を愚弄した、という認識でいいか？」

『僕達』を馬鹿にしたのか？

答えは聞くまでもない

男審「だから何だよ！」

ほら、ね？

だから、僕の理性が働いているうちに覚悟だけでも決めさせてあげよう

これは僕の少しの良心だ

貴「それは、ほとんどの刀派を敵に回すことになるんだけど······それを、分かってる？」

男審「だから、何だってんだ！？」

あーあ、最後の優しさなのにね





じゃあ······本気でいこうか

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