この世界で生きる【刀剣乱舞】【男主】

三十一話 ページ33

ー江雪左文字sideー

私は、戦いは、嫌いです······

それは、戦いたくないという訳ではなく、誰かが傷つくのを見たくないからです

仲間然り、弟達然り

でも、前任はそれを理解してくれませんでした

私が戦いたくない、と誤認し、私の分の課題を弟達に回しました

そして、戦わなければいいのだろう、と言わんばかりに私に伽を命じました

私が伽を耐えれば、弟達の負担も減る

それを知った私は耐え忍びました

しかし、弟達の怪我は日に日に増えるばかり

私一振ではどうにもなりませんでした

枷は何振りかで回しながら、何とかしようとしました

が、私達は私達はただひたすらに無力だった








その話を静かに聞いた彼は立ち上がり、私の前に膝立ちになりました

殴られる······！

そう思い、少し身構えました

が、彼は私の拳の上に手を置き、私の頭を自分の肩に軽く当てた

そして、ぎこちなくあやす様に私の頭を撫でました

貴「泣くなら泣け。突き放すなら突き放せ······お前の好きにしろ」

その瞬間、堰を切ったように涙が溢れ、止まりませんでした

思わず彼を抱きしめましたが、彼は何もせず、ただ静かに撫で続けてくれました

江「和睦、です······！」

貴「······そう、だな」

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