魔法使いのデザート ページ45
your-side
あれから、何度かけんじろ先生とふたりで会った。
キッズクラスのある日は、けんじろ先生が早帰りできる日らしく、スクール近くの公園で待ち合わせをして、いつも決まってけんじろ先生の家に向かう。
「幼稚園の先生が男と出歩くとこなんか、
子供たちに見せられへん」
けんじろ先生に言われて、半分納得したような、残りの半分は残念なような気持ちでいるけれど、結局はけんじろ先生と一緒にいられるだけで満足してしまう。
夕食もけんじろ先生の家で食べるので、途中ふたりでスーパーに寄って買い物をする。
けんじろ先生が食べたいもののリクエストをしてくれるので、それに合わせて食材を買う。
けんじろ先生は、いつも少し前屈みになって肘をつきながらカートを押してついてきてくれる。
食材を買って、レジに向かおうとすると、いつも「向こうで待っとき」と言って、ひとりで支払いを済ませてしまう。
わたしもお金を出そうとするけれど、けんじろ先生は頑なに受け取ってくれない。
「俺が食べたいもん作ってもらってんのに、
Aちゃん先生に出させる訳ないやん」
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作者名:myu | 作成日時:2019年8月16日 1時