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儚くも美しい ページ2

「二人でどこか遠くへ行きたい」


ってワガママを言ったら


忙しい中、時間を作ってくれて


突然「今から行くぞ!」って
準備もそこそこに
ほとんど着の身着のまま状態でね


ホント、そういう時、強引だったよね


一泊二日の小旅行



「そんな遠くには行けないけどさ」



って。

ううん、二人きりで居られるのなら
どこだっていい


ただただ楽しくて嬉しくて


いつもとは全然違った景色に


高層ビルの代わりに

遠くの山々が
「ようこそ」
とおおらかに待っててくれてるみたいで


もう

誰の目も気にしなくていいのかな

なんてね


こっちまで開放的にさせてくれる


胸が躍った


隣を見たら大好きな大貴くんがいる

鼻歌交じりにハンドルを握っていて

チラッとこっちを見て目が合うと


「…見るなよっ。

恥ずかしいだろっ」


って照れた顔がかわいくて


「…ふふふっ、

大貴くんカワイイっ」


って茶化したら、


「コラ」


って言いながら、
ほっぺたをつねってきたの


ちょうど信号が赤になって
他に車もなくて、人も居なくて

ツンと

ほっぺたをつついたから


「ん?」


と少し口を尖らせて

大貴くんの方に顔を向けたら



チュッて不意打ちのキスをされて....



一気に顔が赤くなるのが自分でも分かる


「…お前の方がカワイイっ」


と一言。


「…もぉ〜〜…」


かなわないな…


「大好きっ!」


と抱きついちゃったんだよね


「あ、残念、青っ」


信号が変わったのを指差し、

私をパッと離して

車はまた走り出した





しばらく行くと

見つけた一本の大き桜


「…わ〜…大きな桜の木…」


「近くで見てみよっか??」


「うん!」


車を止めて側まで行った



気付けばもう夕方になっていた


夕暮れの空はいつもより高くて


大きく息を吸い込んだ


少しひんやりとした土の薫りが
身体を軽くする




間近に見る
大きなサクラの木…


サラサラと風になびく花びら達

甘い香りに二人、包まれていく



少し夕焼け色が混ざって

セピア色の写真みたい


懐かしい思い出達が巡る


新しい始まりの景色には
いつもどこかでサクラが咲いていて


ハラハラと散っていく花びらに
いつからかな
切なさを感じるようになったのは


隣に居る大貴くんは何も言わずに
ただそれを見上げていて



その横顔は


桜みたいに


綺麗で…


そして

儚さを纏っていて…

その時の私は
心臓をギュッと摑まれたみたいに
彼の横顔を見つめたまま動けずにいた

桜と約束→←さくらガール



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設定タグ:有岡大貴 , 知念侑李 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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☆。ちゃま.:*・゜(プロフ) - RUI様 本当ですか!ありがとうございます!初めて書く短編だったので嬉しいです! (2016年7月20日 17時) (レス) id: 6a07f41283 (このIDを非表示/違反報告)
RUI(プロフ) - 凄く文才がおありで羨ましです!!自分も小説書いてるので見習います。。 (2016年7月19日 10時) (レス) id: 81c9e6682d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:☆。ちゃま.:*・゜ | 作成日時:2016年7月19日 10時

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