その声が思い出せなくて。(tk × in)

ep.47 ページ47

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伊 「うん、..」









高 「こっち見てよ」









伊 「なに、？」









やっとこっちを見た伊野尾くんに軽くキスを落として

赤から青になった信号の合図で車を動かした









高 「気持ち悪くなんてないよ？笑」









伊 「っ、ば、ばか！！！！！」









高 「伊野尾くんは？」









伊 「ほぁ、？」









高 「.. 伊野尾くんは気持ち悪いって思わなかったの？」









伊 「.... ぁ、.. なんで、だろ、..思わなかっ、た..」









高 「じゃあもっかいしとく？」









伊 「調子のんな、」









高 「はいはい笑」









とかいって、次に止まった信号で


仕返し、っていってキスしてきた伊野尾くん









自分でもキスしたのは分からないって、



彼の中の彼ではない、でも、彼だった1部が

もがいているのか、それは分からないけど









単純に嬉しかった、









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高 「着いたよ」









伊 「.... 海、？」









高 「うん、そう、.. やっぱ人いないね」









伊 「当たり前だろ、寒いもん」









高 「いこ、」









伊 「寒いからやだ」









車を降りて助手席のドアを開けると縮こまって降りない伊野尾くん









高 「お願い、」









伊 「だから！ここでいいだろ、見えるし！寒い！！閉めて、」









ぎゅ、と繋いだ手









伊 「へ、..」









高 「ね、お願い、」









伊 「、も、わかったよ...」









繋いだ手は解かれないまま









6年前、君と俺が最後に来た海、



二度と来ないって、決めてた海









君と俺との関係が終わった海









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そんな海に、また、君と、





手を繋いで あの日のように海に向かった









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