その声が思い出せなくて。(tk × in)

ep.32 ページ32

S . tk



______









伊野尾くんがかわいそう....







たしかに、俺1人で決めて勝手に離れた







でも、仕方ないじゃん...









高 「これでいいんだ、...いまさらなんとかできることじゃないし...」









もう6年も経ってるんだ









山 「いまさら、なんてことはないよ.. 伊野尾ちゃんにとっては時間が止まってるようなものなんだからさ」









高 「時間が止まってる..？」









山 「雄也は前に進もうって努力してるかもしれないけど、何も知らない伊野尾ちゃんは？何かの拍子に思い出したらどうするの？この先一生思い出さないなんて保証ないんだよ？」









涼介の言ってること1つ1つが
胸に突き刺さる

どれも正しいことを言ってるからだ









山 「2人で話して決めるべきだったと思う、... ごめん、偉そうに、」









高 「ん、いや、大丈夫...」









山 「あと、関係あるか分かんないけど... 」









高 「ん？」









山 「... 伊野尾ちゃん、雄也の話に似たような夢夏が近くなると見るんだって」









高 「夢...？」









山 「うん、...自分が溺れてる夢、.. 誰かが助けてくれるんだって " 伊野尾くん " って叫びながら」









高 「っ... うそ、」









山 「うそじゃない、.. その時は変な夢だねって笑ってたけど、... きっと伊野尾ちゃんも思い出したいんだよ！！」









あぁ、自分で決めたのに...





どうするのが正解なの、..









高 「でも、今伊野尾くん彼女いるし、... 恋してる。だから、」









山 「どうせすぐ別れるよ」









高 「え？」









山 「伊野尾ちゃんから好きな人できたなんて聞いたことないもん、全部女からだよ」









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