…困憊。(番外編) ページ26
(天の声)
遡ること10分前…
翔太は、このままリビングに入るべきか否と玄関ロビーで立ち尽くしていた。
.
理由は、扉越しに微かに聞こえる声から
ふっかが何か真剣な様子で話していることを察したからだった。
正直、
今日は1日中忙しく出入りしていてゆっくりお昼を摂る暇もなく、
ましてや昨日はほとんど寝ていない上に
帰りに寄り道までしてくたくただ。
飯……。
しかし、今リビングに入るほど図太い神経を持ち合わせていない翔太は仕方なくエレベーターホールへと向かった。
途中、ちらっとキッチンへと向かう廊下を見たがそれも後にしようと思った。
.
.
3階に辿り着くと1番手前の部屋の前で立ち止まった。
右手に握る紙袋に目を落とすと
それをその扉のドアノブに引っ掛けた。
帰ったら悪態でもついてやろうかと今朝は思っていたが、
中井さんから聞いた話でそれを諦めた。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
今朝、Aが体調不良の為会社を欠席するという知らせは部長から事務に伝わった。
松田「昨日から体調悪かったのかなぁ…。」
たまたまその報告を聞いた際、翔太と辰哉は松田さんの席近くに集まっていた。
辰哉「昨日は、しんどそうだったの?」
辰哉は、何も知らない振りをして尋ねた。
松田「ん〜…体調が悪かったのかは分からなかったんだけど、
いつもよりはぼーっとしてるようには見えたかな。
まさかそれがしんどかったなんて…。
気付いてあげられてたらよかったのに。」
辰哉「そっかぁ…。」
.
中井「私も気付いてあげられてたら、残業なんて頼まなかったのにぃ。
むしろ、言ってくれれば…。」
話を聞いていた中井さんが話の輪によってきた。
辰哉「残業?」
翔太「…。」
中井「そうよ。昨日渡辺くんに指摘を受けた請求レポートの修正、
彼女の勉強の為にもと思って残業して手伝ってもらったのよね。」
それを聞くと辰哉は、表情を変えずに翔太を見た。
中井「彼女も一言体調が悪いって言えばいいのに…。」
辰哉「…。」
翔太「…。」
その一言を聞いた辰哉と翔太は、悟った。
彼女は、言わなかったのではなく義務感から言えなかったのだと。
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
923人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちぃ☆(プロフ) - CH1KAchanさん» CH1KAchan様、コメントいただきありがとうございます!温かいコメント嬉しいかぎりです☺️少しでも関係性の進展が伝わっていることが知れて重ねて嬉しいです🥺また新しい展開を更新していきますので、引き続き作品を読んでいただければ幸いです! (2022年9月21日 7時) (レス) id: 43f8d0ed3c (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ☆(プロフ) - まさん» ま様、コメントいただきありがとうございます!温かいコメント嬉しいかぎりです🥺しばらくは全体公開の方針で進めさせていただこうと思いますので、引き続き読んでいただければ幸いです!引き続き作品をよろしくお願いします! (2022年9月21日 7時) (レス) id: 43f8d0ed3c (このIDを非表示/違反報告)
CH1KAchan(プロフ) - はじめまして。一気に読ませて頂きました!皆との距離感が徐々に縮まってきて、これからの展開も楽しみにしてます☺️ (2022年9月17日 5時) (レス) id: 5788030518 (このIDを非表示/違反報告)
ま(プロフ) - 全体公開で読ませていただけたらありがたいですが、限定公開になったとしても、読み続けさせていただきたいお話です😊これからも更新楽しみにしてます🥰 (2022年9月16日 18時) (レス) id: 32554b59df (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ☆(プロフ) - Arincoさん» Arinco様、はじめまして!わざわざコメントいただきありがとうございます!温かいお言葉嬉しいかぎりです🥲✨私のマイペースな更新になっていますが、これからも読んでいただければ幸いです🥺引き続き作品をよろしくお願いします! (2022年7月26日 8時) (レス) id: 1b4154ce4a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちぃ☆ | 作成日時:2022年5月20日 9時