自主練 ページ9
「ま、自主練タイムということでAチャンも居ることだし簡単な試合しようぜ。」
黒尾がニヤリと悪い笑みを浮かべる
「待てよ!黒尾、このかわいこちゃんもバレーできんの!?こんなにちっちゃい乙女が!?」
木兎は目を見開きながら私を見る
貴「うん、いいよ。」
「お!いいとこに…烏野のメガネくぅーん!!」
「…」
扉の前に通りすがりの月島弟
その顔は声を出すまでもなく「嫌だ」と言っている。
「ブロック練習していかない?人足りないし。」
「…少しだけなら」
「うし。人数揃ったな」
黒尾がチームを分けていく中、月島に話しかける。
貴「珍しいね。自主練なんて。いつも定時にかえるのに。」
「定時って…仕事みたいですね。別に…少ししたら部屋にかえりますよ。Aさんが居るんで、少しだけならと思って。」
貴「えっ」
他のメンバーが騒がしい中、私と月島だけ静かな気がした。
「指導者いる方が、充実な練習できるかと思ったんで。」
貴「〜だよねっ!!もちろん!充実にさせますとも!黒尾の方がうまいと思うけどね!!身長もおんなじくらいじゃん!?」
「…そうですか?」
貴「私も月島が抜ける時に抜けようかな。」
「…王様ですか。」
コートを向いたまま月島は私に問いかける
貴「うん。教え子だし。それに、昼間の試合見たでしょ?ああなってるあの子たちを私がほっておくわけないじゃん」
「過保護ですね」
貴「そうかもしれないや。でもあの子たちはほっておいても上手くできるよ。それでも私がおせっかいしたいだけなんだ。ご存じの通り世話焼きなんで。」
「”選手じゃないのに”って言われたらどうするんですか。」
コートを見ていた月島は、いつの間にか私を見ていた
貴「傷つくねぇ!なに予習させてくれてんの?じゃあ、月島が私に言ってみればいいよ。答えはそのときね。」
月島に向かって無邪気に笑った
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作者名:ちなつん | 作成日時:2023年6月4日 14時