やり直し ページ9
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うっすら表面が黒く焦げていて
お世辞にも誰かに渡せるようなモノではなくて。
やるせなくて
無意識に手を伸ばして
焦げた部分をちぎる。
口に入れた瞬間
悲しいくらい甘さとほろ苦さが交互にやってくる。
「また、、作らなきゃ…………」
自分に言い聞かせるように
材料を用意していると
ピーピー
オーブンの音が鳴る。
リョウクくんが
オーブンから取り出したシフォンは
ふっくらと輝いていて
不格好な私のシフォンとは月とスッポンの差。
フォークで切り
一口分を私の口に押し込む
「………っ、おい、しい、、、」
RW「あげる、全部。食べたら？」
リョウクくんは
私のシフォンを目視しながら
フォークで刺し一口頬張る。
RW「膨らみと温度。
焦げる前にアルミホイル。」
そう言って
RW「作ってみなよ。」
と椅子に座りながら
私の方を見た。
テーブルに並んだシフォンを横目に
私はもう一度挑戦する。
緊張が伝わらないように下を向いていたのに
一瞬で息が止まりそうになったのは
私の隣に立ったから………………
ガチャン、、、
ボウルの中で泡立て器が滑りそうになる
RW「何やってんの、力抜きなよ。
そんなガッチガチでメレンゲ作れるの？」
怖い
だって………近すぎるもん。
リョウクくんは斜め後ろに移動したかと思いきや
背後から私の手に自分の手を添えた。
え？
これって………バックハグってやつ？
緊張のあまり固まった体
鼓動だけがありえないスピードで打ち始めていた。
集中したくても
全神経が背中と手に奪われる。
リョウクくんの長い指
少しだけ筋肉質の体
男性らしさを感じる瞬間に
手が震える。
RW「ヘタクソ」
そう言って
私の手を握りしめ泡立て器と共に動かした。
指先に伝わる振動
背中に伝わる鼓動
ドキドキしすぎて
倒れそうになる体を必死で支えた。
RW「これくらいのスピード。わかる？」
しっかり握られた私の手
感覚はうっすらしか覚えてない。
必死に思い出しながら泡立て器を動かす。
RW「違うっ、体で覚えなよ。」
もう頭の中も神経もぐちゃぐちゃに混乱しているのに
それでもリョウクくんみたいなシフォンケーキを
作りたくてただがむしゃらに手を動かす。
今は何も考えない
集中しなきゃ…………………
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向日葵(プロフ) - りんさん» りんさん、更新してのコメントとても嬉しかったです！ありがとうございます♫ (5月8日 23時) (
レス) id: 4d592b0c8d (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - 向日葵さん更新ありがとう＾＾ (5月7日 19時) (レス) @page20 id: ad9fb4057b (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさん、ご無沙汰しています！お元気ですか？大好物〜嬉しい＼(^o^)／ドSリョウク、頑張ります♫ (2022年3月6日 19時) (レス) id: 4d592b0c8d (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - はい、いただきました。リョウクちゃんの「バカなの？」大好物です（笑） (2022年2月13日 2時) (レス) @page9 id: ddaab80a3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：向日葵
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/sjkorabolist01/
作成日時：2020年12月31日 22時
