Sweet &Bitter・・・？

予想通りの反応 ページ14

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お父さんが入院して
どれくらい経っただろう…………



お母さんを亡くして
男一人で私を育ててくれて


二十歳の成人式に
お母さんの振り袖を着た私を見て



「もう思い残すことはない。」
なんて言ったかと思うと



あっさり病気に負けて
気付いたら入院生活。





「お前の婿に会うまでは死ねない」


なんて意気込んでたっけ。





入り口の自動ドアを抜けると
どこか懐かしい匂い。





2階の入院病棟




ナースセンターの看護師が
私に気付いたのか




「あら、久しぶりね。

え？えっ？

もしかして………彼氏と一緒に？

お父さん、ビックリしちゃうんじゃない？(笑)」



「違いますっ、幼なじみですっ。」


って全力否定する私に


「ちょっとは匂わせろよ。
真剣に言われると傷つくわっ(笑)」


オッパが私のおでこにデコピンする


「ごめん、、、。」


私は謝るしかなかった。


そんなやり取りを見ていた看護師が

「仲が良くて羨ましいわ〜。
今ね、お部屋にいるから会いにいってあげて！」



と急かすから
背中を押されるかのように
部屋の扉をノックする





「どうぞ。」





あっ、お父さんの声。






ガラガラ______



扉の重たさと
私が足を踏み込む重さが同じで


オッパが
私の手を握って
グイグイと引っ張った。




「おっ、A
元気だったか？」


お父さんの目尻には皺が増えていたけど
元気そうな顔に一安心した。



「おじさん、お元気でしたか？
ご無沙汰しています！」


オッパが隣でお父さんに声を掛けた。



「おー、よく来てくれた。
元気だったか？
仕事はどうだ？
Aは頑張ってるかい？

私も元気ならお店に行きたいんだが
こんな体だから、なかなか身動きが取れないんだよ。」


どこか寂しそうに笑うお父さん

「A、頑張ってますよ。
おじさんの娘だから、負けるはずがないですよ。」


オッパとお父さんが話をしている間に
シフォンを準備する。



「お父さん、はい、これ。

シフォン、好きだったでしょ？

小さく切ったからゆっくり食べてね。」



もう一皿はオッパに。



「おー、シフォン〜。
母さんがよく作ってくれたやつか？」



お父さんはパクっと頬張ると


「美味いな………

A、ありがとう。」




「また作ってくるからね。
次はもっと上手に作るから。」



私の中に小さな罪悪感。




だって
私が作ったわけじゃないから……………



リョウクくんの味
どうしたら作れるの？



教えてよ。

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