＊Summer Love 〜ひと夏の恋。本気だったよ、私。〜＊

＊前触れ＊ ページ2

・



外は溶けるような暑さで。




夏本番までにはまだ早い7月初旬




親友が主催する
ビアガーデンパーティーに誘われた。





「ねぇ。Aって今、フリーだよね？
今度さ、パーティーをするんだけど来てよ！
私、幹事頼まれちゃって〜１人じゃ心細いし
手伝ってくれない？」



私の目の前で手を合わせるのは
学生時代からの友人の葉月。



昔から社交性もあって友人も多いから
こういう場を頼まれやすいのだ。



「ホント……忙しいよね(笑)
裏方なら手伝うよ。」



「助かる〜持つべきものは親友！
Aちゃん！！(笑)」



「こんなときだけちゃん付けしないでよ〜」



「出逢い………期待してて。
今回、かなり条件いいから(笑)」



「はいはい。」





葉月にはステキな彼氏がいて。


私も何度か会ったことがあるけど
絵に描いたような美男美女。




今回もカップル作らなきゃ！
なんて張り切ってるし。



　
でも葉月の笑顔を見たら
何だか楽しみになってきた。





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土曜日の夕方5時。



日中の暑さからほんの少しだけ
涼しくなったけど
まだ汗ばむ気温にビルの中に逃げ込む。



冷気に包まれると
生き返った気分になる。



時計をチラチラ見ながら
葉月が来るのを待っていると



「A〜」


反対側の扉から向かって来る葉月と彼氏。



──そう。



今日は恋人同士の2人が幹事なのだ。





「ゴメンねぇ、待った？」



白地のワンピースに青い花模様。



葉月が好きそうなデザインだな。なんて
心の中で思いながら
隣で微笑む彼氏の顔を見る。




まるでペアルックかのように
白のニットにデニム。


足元はオシャレなスニーカー。




SM「Aちゃん、こんばんは。
久しぶりだね、元気してた？」



「お陰様で元気です(笑)

ソンミンさんは
相変わらず忙しいですか？」



SM「お陰様で(笑)
広告業界は目まぐるしく変わるから
必死だよ。」




葉月の彼、ソンミンさんは
広告業界で働くサラリーマン。



デザイナー兼営業もこなすバリバリの
サラリーマンだって聞いていたけど
あの優しい笑顔と甘い声は魅力的だと思う。
　



だから、


葉月が好きになるのもわかる⎯⎯⎯⎯





少しだけ遠巻きに2人を見ながら
久しぶりに着けたイヤリングが気になって
そっと触れると
手首につけたコロンがほんのり香る。



何だか胸が締めつけられるような
ドキドキ感。



今日の出会いが私をこんなに変えるなんて………



　
　

＊初対面＊→←＊……………

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