魔女は年下男に振り回される

2人きりの部屋 ページ14

・





カチカチカチ…………………





壁の時計の針の音だけが
静かな部屋に響く。






リョウクくんはもう寝たかな？







さっきのキス



今まで経験してきたキスとは違う………………





まだ高校生のリョウクくん





彼がどんな恋愛をしてきたのかもわからない。







トントン




部屋のドアをノックする音が聞こえた。





「はい………………」




RW「先生………入っていい？」






ゆっくりドアを開けると
寝起きなのか髪の毛に寝癖をつけた
リョウクくんが立っていた。






RW「先生ってさ、
意外にシンプルな部屋なんだね」





まるで子どもみたいに
私の部屋を隅々見渡しては手を伸ばしたりと
落ち着きがない。





「あんまり、ジロジロ見ないでね。
大したもの、ないから………………」




RW「元カレの写真とかないの？」



「な、ないっ、わよっ、、」




あまりにも変なこと言うから
ビックリして声が裏返った。








RW「ね、先生って何歳差まで許容範囲？」



「何で……………？」



RW「ただの好奇心(笑)」






ただの好奇心……………？





そんなものに真面目に答えられない。







くくく。と笑ったかと思いきや
また一歩ずつ私に近付いてくる。



　

RW「スゲー動揺してるでしょ？(笑)」



「………………!!」





　

何でこんなにバカにされないといけないの？




私、何かした……………？







言葉にしなくても
私の雰囲気で感じたのか




RW「ゴメン…………」





そう言って部屋を出ていこうとする背中が
引き留めて欲しそうだったから……………





「ね、眠れないなら…………

ホットミルクぐらい作るけど………」





思ってもみなかった言葉が口から出て
自分に驚いてしまった⎯⎯⎯⎯⎯






私の一言が意外だったのか
寝癖の髪をかきむしりながら
小さく頷いた。




キッチンで
いつものように
はちみつを少しだけ入れたホットミルクを
2人分作る。


　

リビングに運ぶと
ソファーに凭れながら
一点を見つめるリョウクくん。





「リョウク…………くん？」




声を掛けることを躊躇ったけど


どこかに飛んでいきそうな
消えてしまいそうな空気を醸し出していたから




⎯⎯⎯現実に引き戻すために呼んだ名前。







虚ろな目で
私を見つめたかと思うと





RW「ヌナ……………」




小さな声で私を呼んだ………………………









その声と
寂しげな目から
私は視線を逸らせなかった。

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