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「ごめん………」
何度も謝るリョウクくん
「ヌナに、ツラい思いさせてごめん……」
ううん。
首を横に振ることしかできないけど
リョウクくんが、私の言いたいことをちゃんと伝えてくれた
まだ知り合ったばかりなのに………
私のこと、よくわかってるよ?私以上にね。
「少し、夜風に当たろっか……」
遠慮がちに繋がれた手
一歩前を歩くのは、泣きじゃくる私を隠すため?
川沿いを歩きながらベンチを見つけると、そっと私を座らせて、
「ここなら、どれだけ泣いても大丈夫。
ガマンしなくていいから、声だして泣きなよ。
僕の前なら、遠慮しなくていいからね。」
私の頭をポンポンと叩きながら
「ツラかったね。頑張ったよ、ヌナ。」
甘くて優しい声が降ってくるから
「うっっ………っ。」
小さな嗚咽に
「うん、うん、大丈夫。ほら、泣けばいいから。
よしよし、ツラいね。」
頭にあった手が背中に移り、そっと擦ってくれた
どれだけ泣いたのか
もう、涙なんて残ってないくらい
身体中が渇いて、力も入らなくなって……
そこで気づいた自分の気持ち。
『好きだったのは______私だけ。』
ホント、バカみたい。
「リョウクくん………ありがとう。
一人で帰れるから………。」
腕時計を見ると、まだ21時を過ぎたところ。
まだ、今なら飲みに行けるよ。
明日、休みだって言ってたし……私の浅はかな考えが癇にさわったのか
「は?バカなの?
今から一人で帰るって?こんなに泣いて酷い顔してるのに?で、僕だけ飲みに行けって?何それ……僕への罪滅ぼしの真似でもしてんの?
ふざけんなよ、こっちは真剣に心配してんのにっ。」
まるで、さっきのお店の一幕を見ているような
一瞬でフラッシュバックして、また気持ちが崩れ始める
止まった涙がまた身体中から込み上げてくる
「ごめんなさい……………」
「いいよ、もう。
気を付けて帰りなよ。」
リョウクくんは、私の顔を見ることなく歩き出した
ぐらぐら揺れる視界から姿が消えて
私の感情も涙も制御不能。
リョウクくん、行かないで………
そんな願いすら届かず、私はその場で踞った
それから……………
リョウクくんは、部屋に戻って来なくなった
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向日葵(プロフ) - manmaruuさん» コメントありがとうございます(*^_^*)完結した作品を読んでコメントをもらえるとすごく嬉しいです♪リョウクの魅力が伝わりましたか?またよければ他の作品も読んで下さいね( *´艸`) (2019年11月3日 5時) (レス) id: fc49dfefaf (このIDを非表示/違反報告)
manmaruu(プロフ) - こんにちは!こちらのリョウクくんにも蕩けさせられました(//∇//)とっても面白かったです(^^)!ありがとうございました!! (2019年11月2日 10時) (レス) id: 786210485f (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさん、大満足だなんて…嬉しい!いつか、まゆまゆさんがもっとお腹いっぱいになるようなりょくちゃんを書きたいなー(笑)いつもコメントありがとうございます! (2016年2月13日 21時) (レス) id: 595a038cb0 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - 最後は大好物のナムジャリョウクで大満足です。ありがとうございました。 (2016年2月13日 10時) (レス) id: ed4a5e3eae (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - みうさん» ドキドキしてもらえて嬉しいです!一番幸せな言葉です。次の話も着々と進んでいます。よかったら、またお付き合い下さいね! (2015年12月3日 21時) (レス) id: 595a038cb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:向日葵 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/sjkorabolist01/
作成日時:2015年10月4日 11時