検索窓
今日:9 hit、昨日:1 hit、合計:135,333 hit

*4* ページ16




エスカレーターをトントン走るように降りて
彼女の後ろ姿を追いかけた


入り口の扉を開けると目の前に広がる人混み
あっさりと見失った

「ヌナ………」
決して本人の前では呼べないから…
小さな声で呟いた

今日は帰ろう。
急に足取りが重たくなり電車に乗り込んだ


駅に着くと下を向きながらトボトボ歩きだした

なんで、こんなに彼女が気になってるんだろう…
ううん、わかってるんだ。
認めるのが怖いだけ……


かかりつけの病院が見えてきて、通りすぎようと自動ドアに映る自分の姿をぼんやり見ていると、急に開いた扉。

出てきたのは………ヌナ?

「ウソっ……」
心の声が口から出ていたのか
「あっ、リョウクさん…………またお会いしましたね。」
笑顔で声をかけてくれた

リョウクさん…ちゃんと名前覚えていてくれたんだ

「どこか……悪いんですか?」
そんな間抜けなことしか聞けない自分がもどかしい

「そうなんです……ちょっと貧血気味で。
今日職場で体調を崩して早退してきたんです。
自己管理ができないなんて社会人失格ですね」

「……………………」

こんなとき、何て言ったらいいんだろう?
気の利いた言葉も見つからず、リュックの肩紐をギュっと握りしめた

「リョウクさん……?」
黙った僕を心配したのか、僕の顔を覗き込む

「どうされましたか?大丈夫ですか?
じゃあ、私はこれで……」
会釈して僕の前を過ぎるのを、思わず手首を掴んで咄嗟に止めてしまった

「あの………僕と………友達に……なってもらえませんか…?」

突拍子もないお願いに沈黙が続いた

そりゃそうだよね。ビックリするよね……
なんで、そんなこと言ったんだろう
後悔と恥ずかしさで消えてしまいたい

「友達?………いいですよ(笑)
でも何から始めたらいいんでしょうか?」
そっと視線を上げると、微笑む彼女に
「ありがとうございます。じゃあ、まず敬語をやめて……携帯番号を教えて欲しいです」

「そうですね。携帯番号を交換しましょうか」

「あと、敬語!」

「これは……努力しますね(笑)」


やっと、胸につかえていた言葉が言えて安心した僕は喉がカラカラで、
「もし、よかったらお茶しませんか?」
って彼女を誘った

「はい…」

僕たちは近くの喫茶店に入ると、お互いの自己紹介を始めた

「あのっ、ヌナって呼んでいいですか。Aヌナ……って」

「ヌナって何だか照れますね。じゃあ、私はリョウクくん…かな?」

やった!一歩前進

ヌナって呼ぶからね。

*5*→←*3*



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (118 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
252人がお気に入り
設定タグ:リョウク , SUPERJUNIOR , superjunior   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

向日葵(プロフ) - manmaruuさん» コメントありがとうございます(*^_^*)完結した作品を読んでコメントをもらえるとすごく嬉しいです♪リョウクの魅力が伝わりましたか?またよければ他の作品も読んで下さいね( *´艸`) (2019年11月3日 5時) (レス) id: fc49dfefaf (このIDを非表示/違反報告)
manmaruu(プロフ) - こんにちは!こちらのリョウクくんにも蕩けさせられました(//∇//)とっても面白かったです(^^)!ありがとうございました!! (2019年11月2日 10時) (レス) id: 786210485f (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - まゆまゆさん» まゆまゆさん、大満足だなんて…嬉しい!いつか、まゆまゆさんがもっとお腹いっぱいになるようなりょくちゃんを書きたいなー(笑)いつもコメントありがとうございます! (2016年2月13日 21時) (レス) id: 595a038cb0 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - 最後は大好物のナムジャリョウクで大満足です。ありがとうございました。 (2016年2月13日 10時) (レス) id: ed4a5e3eae (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - みうさん» ドキドキしてもらえて嬉しいです!一番幸せな言葉です。次の話も着々と進んでいます。よかったら、またお付き合い下さいね! (2015年12月3日 21時) (レス) id: 595a038cb0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:向日葵 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/sjkorabolist01/  
作成日時:2015年10月4日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。