ーPresentー

＊HC story＊ ページ22

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最近は男性も美の意識が強いのか、私の勤めるネイルサロンにも男性客が増えてきた


今日の予約リストに目を通す

19時 キムヒチョル様

営業時間終了後のいつもの時間


彼は世界を駆け回るアイドルで、宇宙の大スターだと、スタッフの女の子たちもキャーキャー騒ぐくらいで………

芸能人に疎い私は、そんなことを聞いてもあんまり興味がないからか、いつしかヒチョルさんの担当になった


19時を10分ほど過ぎて
マネージャーさんとやって来たヒチョルさんは明るい髪色でフワフワのパーマがかかった髪型に変わっていた


「うわっ、ヒチョルさん似合う〜！！」
同じネイリストのモカちゃんが話しかけると

「あったりまえだろーがっ(笑)」
豪快に笑ってた
隣にいた私に気づいたのか

「A、いつもの」

いつもの。
これだけで通じるくらい通ってくれる私のお得意様

「はい、手を出して下さい」

男の人なのに細くてキレイな指
一本ずつマッサージして爪のお手入れに入る


「なぁ、Aっていくつ？」

「私？ヒチョルさんより年上ですよ。」

「はぁ？ヌナなの？」

「はい、ダメですか(笑)？」

「見えねー」

「お世辞でも嬉しいです(笑)」

「なぁ……」

「次は何ですか？」

「Aって彼氏いるのか？」

「フフフ…どうでしょうね？」

一通りのメニューを終えて
「お疲れさまでした。」

「よし、飯行くぞ。さっさと片付けろ」

「えっ…？」

「俺が行くって言ったら行くんだ。」

強引な誘いに断る隙も与えられず、そのままヒチョルさんに連れられてお店に向かった

「わりぃな。いつも店が終わってから予約いれて
宇宙の大スターだから見つかると騒ぎになるからな。」

「そうですね。お店の中がファンでいっぱいになると大変ですもんね(笑)」

だから……
いつものお礼と、ガードの固いAと仲良くなるために。なんて言うから


どうしてだろう？
急にドキドキしてきた…
そんなこと、誰にでも言ってるはずなのに

騙されちゃダメ
彼はアイドルで芸能人

冷静に受け止めたいのに、久しぶりに女の子扱いされて…どうしていいかわからない

目の前のグラスに入っていたお酒をグイッと飲んだ

空腹のアルコール
身体中が熱くなり、体がフワフワしてきた

酔いが回り、隣にいたヒチョルさんに凭れかかった

「ってかさ、飲めねーの？」
私の髪を撫でながら、だんだん顔が近づいて…

同じアルコールの匂いがする口びるが重なった


そのあとの記憶が途切れた…

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