ヌナから彼女に変わるまで

あなたに会いたくて ページ47

キュヒョンさんが、渡してくれたのは…スパショのチケットだった。
「リョウギには内緒にしてあります。自分の目で見て感じてから、愛を再確認して下さいね(笑)」


当日…
仕事も休んで会場に向かった。
すでにたくさんのファンがいて熱気に溢れてる。
私はリョウクくんのうちわを買って会場の中に入った。
座席を探すと………えっ？こんな席？間違ってない？
私の指定された席は、センターステージの真正面だった。
これじゃ、リョウクくんにバレるかも!?

ヤバいっ、心臓がドキドキしてきた…
公演が終わるまで持つかな、私…


ステージが始まると、それはかっこよくてパワフルで、うまく言えないけど、瞬きするのも忘れるくらいステージに釘付けだった。
久しぶりに見るリョウクくん。
少し咳込んでいたけど、ホントにキレイな歌声で気づいたら泣いてる自分がいて…。
誰かを想って泣くなんて、ずっとなかったから…溢れる涙を指で拭いながら、私はリョウクくんだけを目に焼き付けた。

トークが始まると、キュヒョンさんとまさかの目が合って、私の泣き顔に驚いたのか、こっそりリョウクくんに近づき耳打ちをしていた。
その光景をファンたちはキャーって叫んでいて、゛ギュウクカップル″を惜しみなく見せていたけど、耳打ちされたリョウクくんの視線が、客席に向けられ、キュヒョンさんに言われた場所をゆっくり探し始める…。

あっ、…視線がぶつかった…

リョウクくん、気づいた？

視線が合ったときのドキドキ感。
やっぱり、好き…。
リョウクくんが好き…。

あっという間にコンサートが終わり、アナウンスが入る。

脱力感からか動けない…人の波が落ち着いてから出口に向かって、歩いた…。

カバンの中で携帯が振動する。
ディスプレイには、リョウクくんの名前…
「もしもしっ？」

「今どこ？」

「入り口のゲートに向かってる。」

「ゲートをでたら左」

「えっ？」

「いいから言う通りにして」

その後も左とか右とかの合図が続き、気づいたら駐車場に着いた。

「まっすぐ歩いたら黒のバンがあるから、来て」

言われた通り、黒のバンまで歩きドアに近づくと、ガラッとドアが開いて、手を引っ張られドアを閉められた…

私を引っ張ったのは、リョウクくん…
コンサートの衣装でまだ汗も拭き終わらない体。首からタオルだけかけていた。
力いっぱい抱き締められ、私もリョウクくんの背中に手を回しギュっとしがみついた。

視線が重なり合うと優しいキスが舞い降りた…

やっぱり愛してる…→←ラストチャンス

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