１９話 ページ20
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私は飛鷹の様子を見るため、空き地に向かうことにした。
響木監督に頼まれたんだ。
きっと響木監督はあの場に行かないんだろう。
私は身を低くして壁から少し覗く。
すると飛鷹はひたすらに蹴りの練習をしていた。
一人でもちゃんと練習するんだなぁ…。
私はそんな飛鷹に感心してしまった。
飛鷹「…………！……いるんすか？」
明日香「気づいてたのか…」
私は体を立ち上がらせて、飛鷹の前に出る。
飛鷹「言ったはずです。俺は響木さんとしか練習はしません」
明日香「その響木監督から頼まれたんだ。無視なんてしない。
それに私は、飛鷹のことが気になっているんだ」
飛鷹「……俺を？」
“喧嘩の蹴りとサッカーの蹴りは違う”
響木監督の言っていた言葉だ。
それに選考試合で見せたあの蹴り……。
あれがあれば、飛鷹もチームも何か変わるかもしれない。
明日香「飛鷹がこんなに頑張って練習してるんだ！お前は変わる。
“努力は実を結ぶ”っていうだろ？私はお前の手伝いをしたい」
そして能力を引き出したい。
飛鷹が立ち止まる姿を想像すると、何だかもったいない気がしてきた。
飛鷹「………っ。……俺のことはいいですから…」
明日香「駄目だ！」
去ろうとする飛鷹の腕を無理矢理引っ張る。
明日香「このままじゃみんなについて行けなくなるぞ！」
飛鷹「…………余計なお世話です…」
腕を掴む私の手をいとも簡単に振り払って、そのまま飛鷹は背を向けて歩いて行ってしまった。
………う〜ん。男心は分からんな……。
織田「それが男と言うものだマスター」
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作者名：桜椿 | 作成日時：2018年5月29日 13時
