１６話 ページ17
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吹雪「明日香ちゃん、あんな厳しい練習後なのに、笑顔で買い物行っちゃったね」
ヒロト「明日香だって疲れてるのに…」
風丸「………そうだな」
円堂「あいつはマネージャーも選手も頑張ってる。
……俺たちは、こんなとこでくたばっちゃ駄目なんだ」
豪炎寺「………(ﾌｯ、まったくその通りだな」
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明日香「あいつら髪長いからなぁ。シャンプーどんだけあるんだよ…」
私は任されたものを買い、ちょっとばかし重いが、学校までの道のりを歩いている。
＿＿ｼｭｯ……ｼｭｯ
すると風を切る音が何回も聞こえてきた。
少し進むと廃ビルがたくさんあり、近くには響木監督のお店がある。
私は恐る恐る覗くと、なんとそこには響木監督と飛鷹がいた。
そこは空き地で、飛鷹は地面に描かれたボールの上を必死に蹴っている。
響木監督はずっとそれを見ていた。
………もしかして飛鷹は練習しているのか？
＿＿ｶｻ…
少し動いてしまい、ビニール袋が壁に掠った。
そして響木監督がこちらを向く。
響木「藤丸か」
飛鷹「！？」
響木監督は冷静だったが、飛鷹は私に気づくと
蹴る動作をやめていつものように髪を梳かし始めた。
明日香「覗いてしまってすみません…これは一体？」
響木監督はちらりと飛鷹を見た。
それに気づいた飛鷹は梳かす動作をやめてこちらを見る。
飛鷹「……あの、このこと誰にも言わないでくれませんか」
敬語口調…!?
私はつい驚いたが、飛鷹の言葉に頷く。
そして飛鷹は響木監督に視線を戻した。
響木「……見ての通り、飛鷹はサッカー初心者だ」
明日香「やっぱりそうですか。……これは蹴るための練習を？」
響木「あぁ。しかしこいつはつい最近まで喧嘩をしていたやつだ。
喧嘩の蹴りとサッカーの蹴りは違う」
だからこの練習法だったのか。
響木「いい機会だ。飛鷹、華宮にサッカーを教えてもらえ」
飛鷹・明日香「えっ！？」
響木「年寄りの俺より、十分に動ける藤丸のほうが練習にはいい」
飛鷹「ちょっと待って下さい響木さん！俺は響木さんじゃない人とは練習できません」
響木「…………これはお前のためでもある」
飛鷹「……俺の…？」
響木監督は座っていた場所から徐ろに立ち、私たちから離れて行ってしまった。
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作者名：桜椿 | 作成日時：2018年5月29日 13時
