１８６話 ページ49
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明日香「
立向居「ムゲン・ザ・ハンド！＿＿＿ぐあっ！」
先ほどと変わらず、青い手はまた砕かれる。
立向居「どこがいけないんだ…！どうしても、パワーが溜まらない…」
明日香「立向居…」
拳で地面を叩き、起き上がる姿はとても辛そうだ。
綱海「まぁそう悩むな立向居」
綱海は立向居の元まで行き、腕組をする。
綱海「究極奥義ってくらいだ。
そう簡単にできたんじゃ、お前だって面白くないだろ？」
立向居「かもしれませんけど…！」
今の立向居に、手本となる姿はいない。
きっとこれがある意味初めての必殺技特訓だ。
明日香「そう焦るな。お前は円堂のようになりたいんだろ？
だったら、その悔しさをバネにしろ」
立向居「明日香さん…」
明日香「そう焦ったんじゃ、見えるものも見えなくなる。
私たちは、とことんお前の特訓に付き合うから！」
私は綱海を見た。目が合った瞬間、彼も笑う。
綱海「波だって高けりゃ高いほど乗りがいがある。
ま、気楽に行こうぜ！気楽に気楽によ」
立向居「………はい」
頑張れ、立向居……。
.
鬼道「よし、今日の練習はここまでだ！」
鬼道の声掛けにて、練習は終わった。
吹雪のやつ、帰ってこなかったな…。
なんて思いながら、私は鉄塔広場に足を入れる。
明日香「ここに来るのも、久しぶりだなぁ」
私は伸びをしながら夕日を眺める。
そしてポケットにあるペンダントを取り出した。
試合中になくなると大変だと思い、それからはポケットにしまうようにしている。
明日香「………立香……私、お前の技……ちゃんと使えてるか？」
最近、この技を打つと妙に不安を掻き立てられる。
他の技はそこまででもないのに、
さっき立向居に打った時だって…。
明日香「また話した……かったな…」
悲しみはない。きっと両親に情がないから。
けど会って話したかった。今の私を、見てほしかった。
「おー！ここが鉄塔広場かぁ！」
「………ん？おぉ、明日香も来てたのか！」
振り向くとそこには円堂と綱海がいた。
二人に気づいた私はペンダントをポケットにしまう。
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作者名：桜椿 | 作成日時：2018年5月27日 17時
