１７２話 ページ24
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吹雪がグラウンドに入っていくのを見送ると、隣に円堂が来た。
円堂「吹雪のこと、聞いたか？豪炎寺はあの時見てたって言ってたけど…」
明日香「聞いてない。吹雪が言ってくれるまで待つ。って、さっき約束したんだ」
円堂「そうか」
明日香「でも何となく分かる。はっきりしないだけだから」
円堂はグランドにいるみんなを見渡した。
円堂「……俺たちで吹雪を支えよう。今はそれが一番だ」
明日香「そうだな。……さすがキャプテン」
私は微笑みながら、円堂を見る。
少し照れくさそうに頬を掻いていた。
鬼道「吹雪！」
いつの間にか豪炎寺と立向居の会は終わっていた。
そして跳ね返ってきたボールを、鬼道は吹雪に向かって蹴っている。
吹雪「……………っ！」
しかし吹雪は対応できず、横にボールは流れていった。
円堂「吹雪……」
吹雪「僕……このチームのお荷物になっちゃったね…」
“ボールが怖い”
本当に、今吹雪はボールを怖がっていた。
何もできないのが辛い。だけど……
明日香「お前がそんなこと言うな！
吹雪は、このチームに必要な存在なんだよ」
円堂「そうだ！誰もそんなこと、思っちゃいない」
円堂は吹雪の肩に手を乗せる。
私と円堂を交互に見た後、吹雪は微笑んだ。……弱々しく。
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夕方。
練習で疲れきった私たちは、地面に座ったり寝転んでいたりした。
春奈「みんなお疲れ様ー！」
すると、フィールドの外からマネたちが
飲み物を持ってやってきた。
いつものボトルじゃない。
明日香「それ何？」
秋「土方くんの差し入れ。沖縄産、シークワーサードリンク！」
皆「おお！！」
明日香「ちょ、押すな押すな！？」
後ろから一斉に押されながらも、シークワーサーを手に取る。
すっぱいと言いつつも、みんな美味しそうに飲んでいた。
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グラン「ガゼル、円堂を見たそうだね」
ガゼル「あぁ。それと、藤丸明日香もいた」
バーン「やっぱり脱走か。しっかしなんであの人は見逃したんだ？
本気になれば、ここから出ることなんて無理に等しい」
ガゼル「何か聞いていないのか？」
グラン「……………花が咲いていないそうだよ」
バーン・ガゼル「……？」
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作者名：桜椿 | 作成日時：2018年5月27日 17時
