１５０話 ページ2
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グラン「ここが君の部屋だよ」
グランとバーンに連れられて、私は一つの部屋に案内される。
バーンは私が逃げ出すと思っているのか、まだ手首を掴んでいる。
バーン「お前、さっきから一言も喋らないのな」
明日香「話すことないし」
話す気もないし。
モリア(君らしいネ)
グラン「………ねぇ」
明日香「何？」
部屋に入ったあと、グランはおもむろに口を開く。
グラン「俺たちを見て、何か思い出したりしない？」
バーン「…………」
明日香「何もないけど…」
グラン「そう……」
グランは少し下を向いて悲しそうな顔をした。
隣にいるバーンも。
その顔を見てジェミニストームのことを思い出した。
あの時も、私が来たときにみんな似たような表情をしていた。
明日香「あのさ」
私が口を開くと、二人は顔を上げた。
明日香「ジェミニストームに……会うことはできない？」
グラン「………どうして？」
明日香「聞きたいことがあるんだ」
バーン「聞きたいことってなんだよ」
明日香「……」
これを二人に言っていいものなのか…。
グラン「でも、どっちにしろジェミニストームには会えないよ」
明日香「そうか…」
追放されたら、もう会えないのか。
グラン「で、何を聞きたかったのかい？」
明日香「いいよ、あいつらに聞きたかったんだ」
バーン「言ってみるもんだぜ。俺らにも分かるかもしんねぇし」
グラン「そうだよ」
バーンは親指で自分を指し、グランは微笑んだ。
ここにいるからなのか
私に対して、二人に敵意はないみたいだ。
二人の暖かな言葉に、口が開く。
明日香「……頭痛がするんだ」
グラン「頭痛？」
明日香「最初はジェミニストーム。あいつらと戦ったとき
フラッシュバックが起きて、頭痛がしたんだ」
バーン「フラッシュバックって、どんなことが…!?」
バーンは身を乗り出して聞いてきた。
明日香「……どれも全部、サッカーしてるとこ。私の知らない人たちだ」
グラン「そう、なんだ…」
＿＿ｺﾝｺﾝ
誰かが部屋の扉を叩く音がした。
グラン「誰だ」
「グラン様、バーン様。あの方がお呼びです」
バーン「はぁ、……ったく。今取り込み中だってのに」
グラン「仕方ないよ。じゃあ、またね」
そう言って二人は出ていき、鍵を掛けられた。
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作者名：桜椿 | 作成日時：2018年5月27日 17時
