検索窓
今日:6 hit、昨日:3 hit、合計:18,882 hit

少女と神と総統 ページ34

図書室から出て数分。私は今足を引きずりながら医務室をめざしていた。というのも今日は運が悪かったらしくたまたま開いていた窓から風に運ばれてきた石が真逆の足に当たったのだ。

『…着いた。…神兄様』

sn「はーい。あらら、Aちゃんどうしたの?足引きずっちゃってるね」

『実は足を怪我しまして…』

sn「ん、じゃあそこの椅子座ってねぇ」

言われた通りに椅子に座る。怪我した足を見せると神兄様はあー打撲かなぁ、と言いながら湿布を出して貼ってくれた。ネットを使い軽い固定もしてもらいありがとうございます、と言って医務室を出ようとすると神兄様に止められた。

『?どうされました?』

sn「Aちゃん…気付いてるんやないの?」

『……それは、』

何にですか、と聞こうとしたのだが声が詰まり出てこない。神兄様は顔につけている紙で口以外の顔は見えないがきっと今鋭い目で貫かれているだろう。何も言わない私を見て神兄様はまたゆっくりと口を開けた。

sn「自分に問うてみ?」

『自分に、問う』

sn「せや。」

私は気づいてる?いや、気付いてない。
違う、本当は最初から知ってた。
何に?何も知らない。
違う、本当はその愛が歪んでいると
歪んでいる?本当に?いや、歪んでいない。
違う、あの人達の愛は歪んでる
ねぇ貴方は誰?
私は、貴方だよ。洗脳(・・)される前の貴方

『私は、洗脳されて、る?違う、グルにぃは私を助けてくれた。違う、それは演技、?違う、違う』

sn「Aちゃん」

ぐるぐると回る頭の中で神兄様の声が凛と響いた。神兄様を見てあ、と小さく声が漏れた。自分でも分かるくらいに目が揺らいでいる。

sn「自分を信じな。…君は間違ってないから。」

『………あぁ、』

正直不安だった。私が間違っていたかもしれないから。みんなから貰っている愛は真っ白で純粋なものなんだろう、ってそう思った事だってある。でも分かった。自信が持てた。

gr「…神、いるか…ってA?」

『…グルにぃ。』

揺らぐことのない目でグルにぃを見た。グルにぃの目には微かにだが動揺が見えている。ゆっくりと歩み寄ってグルにぃのその紅く光る目を見ながら私は口を開いた。

『ただいま。グルにぃ。…もう逃げないから。しっかりと向き合うから。』

gr「A…。戻った、のか。」

『うん。でも大丈夫。逃げないよ。みんなと向き合う。…私の本当の気持ちをちゃんと伝えるから』

グルにぃ…いやグルッペンに私はしっかりと伝えた。

会議。→←教授とわんわん



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
41人がお気に入り
設定タグ:wrwrd , 実況者
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

しおりん - 泣けた(T^T)面白かったです♪もう言葉に出来ないほどに (2020年2月9日 13時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ノエル・ウィール | 作成日時:2019年10月18日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。