少女と朝と… ページ23
ペチペチと頬を叩かれてゆっくりと目を覚ます。隣を見るとタガイが顔を覗き込んでいて起きたか?と首を傾げていた。私は上半身だけを起こしておはよう、と少し低い声でタガイに返した。
tg「どうする?ロボロは起こすか?」
『いや、寝かせておこう。疲れてるでしょうし。』
tg「そうか。なら朝ご飯を作りに行くか…ってやっぱりやめよう。」
『?どうして?早く行かないと間に合わないよ?』
tg「その前にペ神の所に行くぞ。A、風邪引いてるからな。」
『…へ?』
タガイにくいくい、と服の裾を引っ張られて仕方なく付いていく。連れてこられた医務室に入るなり神兄様の前に座らせられた。神兄様は最初は吃驚していたが少し私を見てあぁ、と頷いて体温計を取り出した。
sn「はい、体温測ってね」
『や、矢張り風邪、なのですか?』
sn「あー自覚ないかぁ。いやね、Aちゃんの目が若干垂れ目になってるの。眠い、って感じじゃないしね。」
『うぅ…悪魔さんと一緒にいるから風邪はひかないはずなのですが…』
tg「……調べてこよう。直ぐに戻ってくる。」
『?うん、行ってらっしゃい。』
タガイは何かを考えてから医務室を出てどこかへと走り出した。どうやって調べるのかな、と思い首を傾げていたがピピッと体温計の音がして脇に入れていた体温計を取り出した。
『うげ…』
sn「はいはい、見せてね〜。…あらら、38.2度。中々高いねぇ。」
『ご、ごめん、なさい…』
sn「いいの!寧ろ風邪は引いた方が免疫力が高まるんだから謝ることなんてないよ。」
『はーい…』
神兄様に冷えピタを貼ってもらい医務室のベッドに寝転がる。医務室のベッド、といっても私専用のベッドで何故か作られていた。ふわふわですぐに温まることが出来る特別製のベッドなのだ。
sn「取り敢えずみんなに伝えに行かなきゃね。あ、でもAちゃん…あ、タガイ。」
tg「すまない。少々遅れた。」
sn「丁度いいとこに来たねぇ。俺さ、今からみんなに
伝えに行かなきゃいけないから傍にいてあげて」
tg「あぁ、勿論だ。」
タガイはすぐに頷いて私のそばに来てゆっくりと腰を下ろした。正直風邪、という事を自覚したからか体が怠くて何かを話そうという事をしたくなくなる。寝てしまおうか、と思い体を毛布の中に潜らせて目を閉じた。
tg「早く寝て治せよ、A。」
『うん。お休み、タガイ…』
毛布の暖かさとタガイの尻尾で頭を撫でられて私はすぐに眠りについた。
41人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しおりん - 泣けた(T^T)面白かったです♪もう言葉に出来ないほどに (2020年2月9日 13時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ノエル・ウィール | 作成日時:2019年10月18日 19時