__1日目 ページ33
朝のふわふわとした感覚。少し頭が起きて覚醒しそうな1歩手前。2度寝してしまおうか、と再び意識を落とそうとして急に体が寒くなった。
『__起きてお父さん。会社遅刻するよ』
朝から凛とした綺麗な声が聞こえた。目を開ければ綺麗な黒髪をボブヘアにして既に制服を着終えている愛しい娘がいた。ゆっくりと体を起こしおはよう、と掠れ声で言うとおはよう、と優しく言った。
『朝食とお弁当作ってあるから食べてね。私今日は早く行かなきゃいけないからもう行くよ?』
「ん、A」
『なに』
此方を見るAの頭をぽん、と優しく撫でて行ってらっしゃい、と微笑んだ。Aは数回瞬きをしてから行ってきます、と笑って部屋から出ていった。リビングに行けば美味しそうな朝食とお弁当。新聞も置かれていた。
「…いい嫁になるんやろなあ。……あぁぁあ渡したくねぇぇえ!!」
あの日、Aの肉親が来てから警察の方としっかり話をしてAの親権は俺の物のままとなった。Aはそれ以来成人男性への恐怖が凄かったがすくすくと成長し今では可愛い高校生まで育った。成人男性への恐怖症は未だにあるがある程度は大丈夫になっている。
「…俺も変わったんやなあ」
心配性だとAが中学生の時に言われた。何をするにも大丈夫か、大丈夫か、とオロオロしながら様子を見ていたからだった。よくよく考えてみれば一緒に暮らし始めた当初はそんなに興味が無かったのに今では心配性にまで変わった。
「…いい変化なのか悪い変化なのか」
学校に行っているであろうAを心配しながら美味しい朝食を1口食べた。
You side
ふあぁ、と欠伸をしながら歩く壊に寝不足?と首を傾げた。柊人も夜更かしは良くないぞ壊、と言いながらカフェオレを飲んでいる。
「…るっせえ。そろそろテストだから勉強してたんだよ…」
「そうか。壊は勉強熱心だな」
『うーん、無理は良くないよねえ。』
3人で並びながら学校へと向かう。お父さんの口癖で無理しない、をよく聞く。私は
「無理せんと。ゆっくり、ゆっくり。」
そう言ってくれてそれに私は何回も救われていた。その恩返しの為に私は今勉強を頑張っている。
『…あ、明日父の日だ』
「そういえば…そうだな。何か贈らないと」
「…だりぃ。ンなもん手作りが1番だろ」
『壊は器用だから…。』
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Taiyo - 完結おめでとうございます!個人的にドロドロとした話はあまり好きではないのでこのお話はとても面白かったです!最後に数年後の話も入れてくれた事が嬉しかったです! (2020年10月22日 22時) (レス) id: 4c1ce912ec (このIDを非表示/違反報告)
明日葉(プロフ) - 完結おめでとうございます!!めっちゃくっちゃ!面白かったです!新作めっちゃ楽しみやー!!頑張ってくれよな!!応援してまーす! (2020年10月20日 23時) (レス) id: e4ec07d3e0 (このIDを非表示/違反報告)
赤月奏楽 - この作品はわりと出来て間もない頃から読ませていただいていたので、初めて完結まで見守れました。家族系のほのぼのした作品が本当に大好きなので、作者様の作品がドーンと来ました!自分もほのぼの系になっちゃいますね。次回作も楽しみに待ってます! (2020年10月20日 5時) (レス) id: 0a13c144ca (このIDを非表示/違反報告)
暇人な名無し(プロフ) - 重(いけど)面(白い)。 (2020年10月17日 21時) (レス) id: d7b6c8461a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - sypさん……いくらなんでもロリコンだからって1日でq150枚はやばいですよ!!? (2020年10月7日 18時) (レス) id: 74f12133a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノウィ | 作成日時:2020年9月7日 16時