14日目 ページ15
次の日になってすっかり元気になったAを連れてある人の家に来ていた。今日でAが家に来て数日。これぐらい経ったならば少しずつ報告するべきやろ、と判断したのだ。
『…ぱぱ』
｢ん？｣
『…きょうあうひと、こわい？』
｢…せやな。ちょっと雰囲気は怖いかもな｣
『……はう……』
｢大丈夫やで。中身は優しいおっさんや｣
10階建ての大きなマンションの8階。インターホンを押せば低い声が返ってきてロックが開かれた。エレベーターで上っているとAがう、と少し顔色を悪くしていた。
｢エレベーター、気持ち悪いか？｣
『ちょっと、だけ…』
｢ん〜…初めてやからかな。もし無理なら無理しないようにしよな。｣
『はい…』
歩いて1番奥にある扉のインターホンを押した。暫くしてガチャリと開いた扉の先からは薄い色の金髪を半分オールバックにした彼奴が来た。
｢…お前か。｣
｢おん。久しぶりやな。生きてたか。｣
｢生きてたかは失礼やボケ。｣
『ひゅっ…』
右足に掴まっていたAがカタカタと震えている。小さな悲鳴まで上げているから相当こわいのだろう。大丈夫やで、と言っても顔を必死に隠して首をふるふると振っていた。
｢…ん？その子は？｣
｢あ〜…今日の話したい事に深く関わる子｣
｢ふむ。とりあえず入れ｣
｢邪魔するわ。ほら、A｣
『…しつれ、します、』
Aはビクビクしながら入ると1度俺から離れて靴を脱ぎ綺麗に揃えて隅に寄せた。そういうとこはマメやな、と思っていたらまた足に抱き着いた。
｢…で？話は？｣
｢実はな…その、俺が今この子の…Aの父親やねん｣
｢…お前が？また何で。｣
｢Aなら育てられるって思ったんや。…それに、今まで一緒に暮らしてて楽しかったのは間違いない。｣
｢…お前がいいなら俺は構わん。頑張れよ｣
｢！おん。｣
Aは俺と向かい合うように膝に座り抱き着いていたが少しだけ顔を出して彼奴の方を見た。彼奴は優しく微笑んでスイーツは好きかな、と尋ねた。徐々に心を開いてもらう作戦やな、と察して見守るだけにした。
『…す、き』
｢そうか。俺も好きなんだ。マカロンをあげよう。｣
『…あなたは？』
｢俺はグルッペン。君のお父さんの友達だ。｣
『…ぐ、る？』
｢グルさん、でええぞ｣
『ぐるさん。』
｢よし、いい子だ。｣
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Taiyo - 完結おめでとうございます！個人的にドロドロとした話はあまり好きではないのでこのお話はとても面白かったです！最後に数年後の話も入れてくれた事が嬉しかったです！ (2020年10月22日 22時) (
レス) id: 4c1ce912ec (このIDを非表示/違反報告)
明日葉(プロフ) - 完結おめでとうございます！！めっちゃくっちゃ！面白かったです！新作めっちゃ楽しみやー！！頑張ってくれよな！！応援してまーす！ (2020年10月20日 23時) (レス) id: e4ec07d3e0 (このIDを非表示/違反報告)
赤月奏楽 - この作品はわりと出来て間もない頃から読ませていただいていたので、初めて完結まで見守れました。家族系のほのぼのした作品が本当に大好きなので、作者様の作品がドーンと来ました！自分もほのぼの系になっちゃいますね。次回作も楽しみに待ってます！ (2020年10月20日 5時) (レス) id: 0a13c144ca (このIDを非表示/違反報告)
暇人な名無し(プロフ) - 重(いけど)面(白い)。 (2020年10月17日 21時) (レス) id: d7b6c8461a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - sypさん……いくらなんでもロリコンだからって1日でq150枚はやばいですよ!!? (2020年10月7日 18時) (レス) id: 74f12133a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノウィ | 作成日時：2020年9月7日 16時
